大室佑介入門         2025年5月18日 作成:佐藤敏宏




学校の行事を観察するために佐藤も助手席に乗せてもらい小学校をめざし、車中で話を聞いた。


■458 小学校の環境整備へ(校庭の草刈り)  

佐藤:環境整備は、PTA主催ですか。
大室:そうです。廃品回収もPTAです。PTAの運営費をつくるために・・衣服と缶と段ボール、古新聞。

佐藤:ようやく今朝、屋敷を観察して周りました、段差もわかりました。枇杷は他人の木とは、残念ですね。(家と屋敷については後日記す)
大室:枇杷すごいですよ。言ったらくれますけどね。
佐藤:収穫した量の5割あげるから採って、と言えばいいのにね。
大室:毎年採り終わったら、残った枇杷はとっていいよ、と言ってくれるんです。そこの枇杷も凄いけど、庭園美術館のも凄いんですよ。
佐藤:昔の人は下の方は旅人のもの、中間が所有者の実、高い所は野鳥の餌と分けて採ったそうです。
大室:なるほど、下の方が甘い?
佐藤:採りやすい。歴史好き人が柿のみの所有方法を語ってたけど、それはいい方法だと思った。我が家のイチジク、今は虫が入って枯れちゃったけど、近所の人が喰ってた。いいですよどうぞですよ。

大室:鳶が争ってますね。
佐藤:鳶がまっているから生き物が一杯いる証だね。
大室:家の前で車にひかれた蛇をカラスがつまんで飛んでいったり。
佐藤:猛禽類が飛んでいる家は初めての体験だね。いない所に人が暮らしてた。ここにはアオサギも居ますね。餌が豊富なんだよ。

大室:新聞紙とか整理して、今度は草刈りです。まとめてこの日にやってしまえば来週は運動会です。
佐藤:兼業農家の人もたくさん暮らしてそうだから草刈りは上手いだろうね。同級生4人は少ないね。大室さんの日常を記録観察チェックしてるけど、動きが速くって作業は多種多様だから、疲れはでるよね。
大室:年に一回、昨晩はあたりの日でした。
佐藤:俺が騒ぎ過ぎてるし、観客はやって来るし、案内しなければいけないし、初日は大変だよ。

大室:お客さんが多いと。昨日はお客さん知り合いが少なかったんですよ。上品なお客さんが多かったので、いつもよりも配慮した感じです。

学校裏の駐車場に車は止まる。


大室:裏側のシャッターが締まってますけど、公民館になっていて。
佐藤:ここに公共施設が集結しているのね。
大室:元幼稚園だったんですけど今は財産管理会の倉庫に転用。
佐藤:津市の教育委員会で学校小さくしたり統廃合のことを話合ったりしてる、それは正式には何ていうんですか。

大室:教育を考える会。その代表委員です。
佐藤:有識者になっているんですね。
大室:入り方、PTA会長しかできないですけど、学童会の会長をやっていて、娘が通っている学童クラブの会長をやっているので・・代表委員。学童の方も会長は必要ということで入ったんです。そしたらエライ建築に詳しいいし・・。
佐藤:大室は役立つ歓迎されている、とふふふ。

大室:それで教育委員会に出入りして、計画とかその辺から入ってワイワイしてます。
佐藤:いい場所に来たね、なかなか地方の衰退する場に立って暮らす機会ない。東京から来て地域と遊離している者とは大室さんはまるで違う。少子化リアル、で同級生4人だもの。
大室:批判するまえにまず、入ってみようと思って、入ったら。


草刈り機をおろしている大室。大室さんは白山町で多種多様な役職も与えられて大活躍のようすだ。草刈り機をおろし、草刈りおじさんに変身し歩き出す大室さん。既に草刈りをしている草刈りおじさんも遠くに見える。草刈りおじさんは、草刈り機はもちろんだが、ゴム長靴、麦わら帽子、水いりペットボトル、作業用ゴム手袋、長靴、防護用メガネを身に付けている、虫さされ防止に綿シャツ長袖は欠かせない。



佐藤:大室さんの草刈りスタイルを撮っておきましょう。今変身したからね。芸術家になったり、館長さんになったり、草刈りおじさんになったり忙しい、家では台所に立つし。今は子育て時期と重なり日々忙しいの連続ですね。。

校舎前中央に向かい歩ききだす二人。初めに校長先生に挨拶する。大室さんは佐藤を校長先生に紹介する。

大室:密着取材中です
佐藤:この方はナイス人、取材に来ました。今日は草刈りおじさんになっちまって、
男性:素晴らしい 拍手している ぱちぱち

大室:校長先生紹介します。
佐藤:校長先生に会うとは。怪しい者ではないということで挨拶するんですね。
人が集まっていて賑やかになっている。子供も参加しているね。
ワイワイガヤガヤ
大室:校長先生、挨拶します。
ワイワイガヤガヤ
校長先生:分かりました了解です、有難うございます。

大室:今ね僕を密着取材している福島の建築家の面白い人、昨日から家に泊まって。
佐藤:校長先生ですか初めまして佐藤です。2泊3日させてもらっています。
校長:そうなんですか!
佐藤:写真撮りますけれど人の顔は写らないようにします。大室さんをメインです
校長:わかりました。
佐藤:もし、写ってたらぼかしますので。
校長:了解です。
佐藤:大室さんはいろいろ活動する人です。
校長:凄いでしょう!本当に無くてはならんかたなんですよ。学校にとってもそうですし、地域にとってもそうなんです。
佐藤:それはいいですね、校長先生太鼓判押しますね。

校長:でっかいのばーんと押します。来年は会長になってもらおうかなと。
佐藤:会長予約が校長先生からはいりましたね。

周りで聞いていた皆、大笑いする

大室:予約がはいりました、予約詰まっていて。
校長:そうなんですよ、本当にお世話になっております(ふふふふ)
大室:では、草刈り始めちゃいます。
校長:ありがとうございます、お願いします。

大室さん草刈り始める 草刈り機がうなりを上げ続ける30分


















 校庭内の草を刈る大室さん

■草刈りにあつまった父さんの声

佐藤:大室さんと同世代ですか
男性:少し上です、青森から来ました、嫁さんがここの出なんです。
佐藤:お嫁さんに誘導されて津市白山町にやってきた。青森はどこですか。
男性:八戸です。
佐藤:いいところですね。最近いい美術館できたですよ。
男性:市立ですか。
佐藤:そうです。
男性:行きましたよ。
大室:その美術館設計したチームの森純平という建築家にも密着取材して。
男性笑っている
佐藤:呼びつけて話させたりしたり、ちょっと拙いな、とも思ったりします。
男:密着して本を出すんですか。
佐藤:本にはしません。古いタイプがすることですから、俺は単なる役立たずです。
大室:記録してwebに公開してます。

佐藤:だいぶ前からwebアップ活動してます。
大室:先見の明がある、呼びつけて講義させている。
佐藤:我が家に呼んで講義してもらって記録もしてました。50才になって人生辞めて、ただの親父になりました。青森までは車で帰るんですか。
男性:昔は鈍行で帰ったりしてました。今は家族いるので。
佐藤:青森の八戸の人に会うとは、好い所ですよね
男性:そうですね。帰りたいです。
佐藤:無理ですね奥様に従った方がいいですね。
 笑っている
大工さんですか、奥様は一級建築士とかですか。
男性:いやいや。子供は一人です。僕の住んでいる地区がわりと人が好かったので、仲良くしてもらっています。
佐藤:それはいいですね。どうもお世話になりました。今後も大室さんをよろしくお願いします。

みな、はい

大室:腕のいい大工さんで丁寧にやってくれるんです。
佐藤:そういう地域のパートナーいるのはいいよね。10年暮らしているといろいろな知り合いができるんだね。
大室:最初美術館をやったときに、面白がってくれて。
佐藤:人間関係と出会いが人生を決めていくから、面白がってくれるひとがいるのはいい。この辺りは平成の大合併で津市に組み込まれたんですね。ずいぶん奥の方まで津市だなと地図見て思いました。
草刈りご苦労様でした。学校の仕事はそれぞれ出来ることをやるという分担作業はいいよね、窓ふきしてたし人も子供もいたし。
大室:それは最初のうちは分からなかったけど、1回、2回参加して、小学校だと6年間いるので。僕としては教育を考える会、学校の統合の方で・・・設計できるから。設計料なしでもできるから。
佐藤:設計業者泣かせ者だね。政治家もキックバックいただけないから、政治家泣かせでもあるね。父兄が設計図作っちゃって、建てたら革命みたいなものが起きるね。教育委員会もいいよね。寄付の形になるだろうね、どうなんだろうね、親が設計費無料で施行も無料になったりすると、えらいことですよ、明治初期に戻ってしまう感じ。

大室さんの考えは建築コスト管理もきちんと目が届く、節税にもなる、過疎地域はそのような可能性も潜んでいると思った。都会で草刈りとかゴミ拾いしても誰も見てくれないけど、地方は人が少ないので環境整備する、しない、どちらも目立ってしまうようだ。

大室:通学路とかは草刈りしてあげないと、蛇とか出てくるから。草刈りしないと虫が一杯いて、餌ができて、蛙とモグラが穴を掘るんですよ。ミミズを食うためにモグラが穴掘って、その穴を蛇が使うんですよ。穴に蛙が入って来て蛇が食べて、そうなるとマムシとヤマカガシとか出てきちゃう。
佐藤:この辺りはマムシいるのか!
大室;あとが土の中に巣を作くるんですよ。蜂も木の上で一から作るよりも穴の中使う。
佐藤:スズメバチもいそうだね。危ないからね。



450






大室
:もう、お客さんが来てる 
佐藤:草刈りしている間に、大室美術館はオープンしてました。一杯いますね、今日は出足好調すぎますね、行ってよかった草刈りです。
中谷:はははは
大室:校長先生にも紹介して。
佐藤:次期PTA会長、とか言われてました。どんどん有名にしてやってくださいとも。今でも有名だから。
中谷:大笑いしている。
佐藤:来館者おおぜい来るとおもってなかった、けど雨のなか30人多いね。今日はパビリオンに作品も載ったし、人一杯くるよ。ぐっといい感じになってますよ。

部屋に戻り帰り支度を始める佐藤。荷物が減ったのでバックへの荷詰め作業はさほどかからなかった。部屋を整えて別れの挨拶しに受付に向かう・・今日は朝からいい空模様だ。
シャッターが開く音、佐藤がカメラ撮影をしている傍で原さんは笑っている。お客さん挨拶する声・・・こんちには。開館準備をしている大室さん。中谷さんに挨拶する。 

佐藤:お世話になりました。これから2年間目標で「大室佑介入門」作業しますが、終わるのか・・・分かりませんが、これから展覧会もありますし、他にもいろいろありそうですしね。
中谷:かわっていくんでしょうね。
佐藤:ますます忙しくなるんじゃないですか。誰か弟子入りしてもらって、インターンとかもくるんじゃないですかね。
中谷:そうですね。
佐藤:原さん何をもってきたんですか。
:木の枝拾って子供たちのワークショップですね。
佐藤:原さんにもお会いし、話を聞かせていただきました。

大室:佐藤さんを駅まで送ってってくれる
原:はい、何時ですかね。

大室さんは大忙しなので、原さんに榊原温泉駅まで佐藤を送るように指示をだす。

佐藤:大室さんと2ショットを決めたら帰ります。原さん撮ってくれますか。
大室:テーブルでいいじゃないですか。
佐藤:偉そうだから、分館を背景に下記の木の下でお願いします。もっと近くによってください。2泊3日大変お世話になりました。遠目と近めと両方撮ってください。

:はいチーズ

佐藤:近距離でもお願いします。顔だけの絵もお願いします。
お客さんが次々に来館している
原:チーズ 
佐藤:使うときは撮影者原って書いて使います。

:ありがとうございます。
佐藤:では送っていってくれますか。
:はい。
佐藤:今日は忙しいときに悪いね。じゃとうもね、またお会いしましょう。娘さん、お世話になりました。
中谷:ふふふふ
佐藤:また来ます、次に会った時は大きくなっているよね、大学生かも。
中谷:ありがとうございました。体に気を付けてください。
大室:ありがとうございます。またきます。
中谷:またいらっしてください。

佐藤:たいへん、ありがとうございます。楽しい記録になると思いますので、こつこつ作業します。2年間の記録も長いですけど、着地点がよくわかってないんです。
中谷:はははは
佐藤:さよなら!

 皆 でさよなら!


原:電車すぐですかね、

佐藤は原さんが運転する車に乗せてもらう

佐藤:分かってない、電車来たら乗る、それでいいですよ。
原:私の車で行きます。
佐藤:わるいね、原さん増すます忙しくなるね。原さんに手伝ってもらわないと開館もできないからね。今日は大勢来そうだね。300円入館料はずっと変わらないのかな。
:この地区の人は無料です。大角地区の人です。他の人は300円、敬老会の日は、公民館で地区の飲み会みたいなのがあったんです、そのイベントのついでに美術館やっている日もあるから。
佐藤:美術館の隣が公民館ですよね。
原:そうです。

佐藤:ところで、どこに向かっているんですか。
:榊原温泉口です。
佐藤:このへんの電車事情は分かってないです。そこから乗れば名古屋に行けるんだね。
:一回乗り換えです。特急は直通もあります。榊原温泉口は特急も止まり、名古屋まで行くやつと伊勢志摩にいくやつがあるので。
佐藤:伊勢志摩まで行く電車も通るんだ。行ったことあるからいいや。家に帰るだけでいいです。最後の日、今日は雨が上がって観客も一杯きそうで。
原:今回は人多かったですね。先月も大室美術館開館してて、その時は雨の日は人が来なくって。

佐藤:歩いてこれないから、日に5人ぐらいなんだろう、と思ってきてみたら、予想を外しました。こりゃ忙しい。館長さん直々の案内だから。雨の日に鑑賞すると一般の美術館では味わえない、体験ができました。雨音とか雑草の床とか気持ちいいよ。
:そうですね、虫も入ってきます。

佐藤:そう、それがいいんですよ。都内の美術館に虫が飛んで来たら大騒ぎだよ。虫殺して展示ししそうだからね。
原:燻蒸室でふふふふ。
佐藤:敷居が高くって美術品との距離がありいいとは思わないけど。

原:ここは保育園です。
佐藤:ここに娘さん預けてたんだ。
原:そうですゼロ歳児で。
佐藤:中谷さんは多摩美に行くまで新幹線に乗っても時間が大変だね。朝一の電車に乗って外国行くみたいだね。

佐藤:大室美術館には建築家も来ますか。
:来ますよ。403の辻さん。辻さんはよく来られているイメージがあります。
佐藤:大室さんの弟子一号と勝手に名乗っていた。

原:最近だとグループという大阪万博のトイレも設計してた人達の一人が来たり。東京の人です。滋賀県大の川井さん。去年は川井さんよく来られてました。
辻さんも施主にやられた時に、大室さんの家に来て草刈りして帰っていきました。それでいいんだ、と。大室さんの所に来る人は癒しを求めている可能性もある。

佐藤:癒し効果は分からないけど大室さんのタクマシサにふれにくる。田舎で活動しているから、お上りさん建築家という発想を持っている人は、ここに来ると捨てることができるんじゃないのかな。大室さん、のびのび地域に溶け込んで活動しているし、奥さんも同様に活躍しているから。若い人は背伸びし過ぎて疲れるんでしょうかね。大室さんはそういう時間は過ぎてしまっているから、15年前に会った時はギラギラ終わった後だったかな。夜通し学生と語り合ってたけど、俺は寝た。

原:ここが電車の駅です。
佐藤:大室さんの所には遠くて足回りが都会と比べものにならないほど悪いから、気合入れられない現代人は来ないよ。この駅から歩いても1時間弱なんじゃないかな。ここが駅だね。ありがとうございました。
無くてはならない原さんが活躍してください、よろしくお願いします、ありがとうございます。

原:記録、楽しみにしてます。
佐藤:作業遅いけど記録は作ります、では失礼します。さようなら。


 佐藤+大室 原理花子さん撮影

 大室さんの家屋敷についてへ続く 
■音 461