sunchild ヤノベケンジ入門 03 言葉集 01 2018年 作成 
 2012頃

ヤノベ:恥ずかしいぐらいストレートのポジティブな作品をつくらなければならないと、その時おもったんですよ。そのくらいしないとこの絶望的な状況に立ち向かえない。そう思ったからです。アートに何が出来るか。表現者としてどうすべきか。そんな事は考える余裕も無く、何かつくらなければ。そういう気持ちでただただ必死だった。

そういう人たちが集まってサンチャイルドが出来たと思います。

放射能防護服を脱いで深く息を吸える、ガイガーカウンターは0を指し顔は傷だらけなんだけど逞しく立ち上がっている。手には希望の太陽、いつの日か来る、来なければならない未来のイメージを多くの人と共有するためのモニュメントなんです。

想像しうることは必ず現実化するって言うじゃないですか。

それでも福島にこの作品を持って行くのはだいぶ躊躇していたんですよ。今持って行ってよいのか、誰か傷つけたりしないのか。

でも福島に住む人々から、ぜひ持ってきて欲しいという言葉に背中を押されたんです。それでもサンチャイルドをたてるまでは悩んでいたんですけどね。

でも、像がたった時に分かったんですよ。サンチャイルドを見上げるたくさんの人の誇らしげなのを見てこの像はただ福島に住む人に見てもらうためにだけにあるんじじゃないと。この福島から福島の人と共に世界に発信するためにここにあるんだと。人類が立ち向かうべき問題に正面から向き合うぞと。そう世界に伝えるために立っているんだと。そう思えたんですよね。




太陽 その光  明日をてらせよ
帰りたい場所 会いたい人 やり切れない 思いの中 少しずつ
芽吹きだした希望の光深く胸を張れ
痛む傷をなでていたいけど強く立ち上がって歩きだすんだよ
君の語るその夢が暗闇に覆われるよに小さな手の中の太陽
その光 明日を照らせよ

無くした者を探したいけど、うつむくのやめて空を見るんだよ
君の描く空色が美しい美しい青であるより 小さな手の中の太陽
その光 明日を照らせよ

ららららら・・・・・・・・らららら・・・

無くした者を探してたいけど、うつむくのはやめて空を見るんだよ
君の描くの空の色が美しい青であるより 小さな手の中の太陽
その光 明日を照らせよ


 0105
 歌曲 

女性:太陽の塔の乗っ取り計画っていうのをやってもいいですかって言うのね。面白い面白いやればいいじゃん、太郎さんだったら絶対やれやれって言うよって言ったの。

 音楽

 0104
 物語
ヤノベケンジ

トらやんの森は夜の森 朝を無くした黒い森
小さな可愛い木の小屋でトらやんは一人で暮らしてた
ある夜 星を見ていたら 光のかけらが落ちてきた
流れ星 
それは ちいさな ちいさな 太陽だった
小屋に昔からあった壊れた大きな映写機
トらやんは 小さな太陽を電線につないでみた
うぃーん ういーん モーターが動き出しレンズの先からまばゆい光が放たれた
突然小屋が大きく揺れた 
小屋は象さんの背中に乗っていたのだった
象さんは小屋を担いだままゆっくりと光の進む方へ歩き始めた
そしてトらやんと小さな太陽の旅が始まった

しばらく歩くと煙突の町 小さな太陽を一つの 
するとあちこちの煙突の先が花のように開きラッパの形になったのだ
もくもく煙は明日の音色を奏ではじめた
ラッパの音色が心地よくトらやんはお昼寝を始めた

そこにそっと現れたのは盗人マウス
トらやんすやすや 
すきをみて小さな太陽をとっていった
トらやんは目が覚めて驚いた 太陽が無い
そして遠くの町が燃えている
見にいくと大きなロボットが火を噴き暴れまわっていた
マウスがロボットに太陽を食べさせていたのだ
トらやんはロボットのお腹に飛び込んで小さな太陽を抜きとった

4:21