東北工大卒制 2020-2-28 (仙台メディアテーク) 2019年 作成 佐藤敏宏

 高橋響

タイトルは「まちの編み方」です。本提案は20年後を想定した、面白い都市の立体化というのをめざすための建物の設計です。都市フームの上に敷地を設定し、その上に様々な建物が載るなかを立体的な路地で連結させることで、この設計は成り立っています。またドローンエレベーターを併設することで、複雑な動線をサポートしています。

そもそもなぜ都市の立体化を考えたかと言うことと、面白い都市と自分で説明します。現在に至るまで、開発が進んだ世界中の都市は均質で退屈になりつつあります。その中での私は都市の面白さの本質というのは、人々の寄り集まったことで生まれる、生活そのものである、と考えました。そして人々の生活を支えてくれる要素を持つ都市が面白いと感じています。しかしそれらは、巨大化、高層化の都市開発は相性が悪いです。であれば、人々の生活を感じられるスケールで、都市を立体的に編み上げればよいのでは、と考えたのがこの設計の主旨になります。

 次に都市フレームの設計をするための調査について説明します。面白い都市の、実際に現地調査をして、構造的な構成要素というのを抽出しました。それはおおきく4つに分類していて。まず路地は幅と両脇の建物の関係。ギャップは路地からどれだけ1階が上がっているか。セットバックは壁面が道路からどれだけ、後退しているか。オブジェクトは植木鉢や看板などの表出物になります。以上で得られたようなデータを活用して、面白い都市のためのフレームを設計していきました。

次に敷地分析になるんですけども、敷地は日本の地方都市の仙台市の中心部の一角を設定しました。理由としては様々な用途が混成した面白い要素を持つ土地であることが一つ。もう一つは、高層建築にある開発が進んでいるということが、対象とする敷地条件に合致するため、研究しました。周辺に存在する、飲食やサービス、小売り、公園、居住や業務、といった要素をそのまま延長するように、この都市フレームに取り入れていきます。

形態ダイヤグラムになります。形態としては、周辺の条件からと基本的なボリュームというのを最初に決定して、その中に、地盤を配置していきました。そして調査で得られたデータから、地盤を幅や長さの異なる路地で、立体的に連結します。そこから大小さまざまな敷地というのをギャップやセットバックという調査で得られたデータを活用して、設計していいきました。そこから構造体、かつオブジェクトを引き出すための円柱というのを配置して、ここで自分の設計は終了になります。

ですが、今回は各敷地に建物をシュミレーションとして設計しました。こちらはアクソメ図になっていて、各シーンを強調しています。例えば幅の広い路地は子供達が遊んでいたり、ギャップによって、生まれたくぼみによって外部に家具が置かれたり。あるいはセットバックを店先の空間では外部席が設けられたり。あるいは円柱の周りには植木鉢や看板がとりつくようになっていて、町の雰囲気を色どり、呼びます。 以上のようなシーンが都市フレーム上のいたるところで、人々の生活がよく現れる設計になっています。

こちらは見づらいんですけれども分解立面図になっていて、この設計物をおよその層毎に、12層に分けて地盤ごとの敷地の数と、用途の内訳を示しています。建物と用途をシュミレーションに過ぎないんですけれども、各用途の混成の割り合いはおよその層ごとで異なっており、それぞれに個性を持っており、それらが連続することで、面白い町をつくっています。パースではこの町で得られる大きく二つの空間体験のシーンを切り取っていて、一つは地上の路地を歩くような普遍的で日常的な経験。もう一つは、建物中央の吹き抜けで感じられる、路地と建物の積み重なりによる特異な空間体験です。この町を歩くと、主に二つの空間体験が連続的に反転して歩く人を楽しませます。

これは配置兼一層目の平面で、一層目は敷地南北の横町があるんですけど、そのスケール感を路地、建物とも重視して設計しました。敷地の東西には、上に上がって行く太い路地ができていて、訪れた人はこの路地を上にあがっていきます。

これは地上30mのレベルの平面で、ここは飲食店街です。小さな敷地と密な配置によっるスケール感といのをだしました。こちらは敷地断面図で、敷地の南に張り出したボリュームによって、いろは横丁を開発圧力から守るとともに上から横丁を眺めることもできます。

 立面からは周辺の都市が上に延長していくような、予想を と思います、面白い都市をめざした、提案になります。以上です