「たんと・デレッ・赤巣我」入門  作成:佐藤敏宏
 その3博士論文を書き上げよう!) 01 02  2025・10・07

外国人に教えること

佐藤:日本語教育など義務教育のような訓練をせず、外国人を仕事に就かせちゃえば、文化摩擦など問題おきるのは当然だよね。犯罪者を除いて外国人を排斥する必要はないけど、日本語と日本の文化や風習を学ばせる、日本で生まれた子には義務教育を受けさせないと・・・・将来も外国人就労者と対立と混乱起き続きますよね。(参照:外国人就労者の現状と課題)

タント:最近、妙に外国人と接しています。在留許可をとっている外国人はもちろん日本の建築会社で働けます。なのに日本語は通じない。日本の入国管理はちゃんと出来てないと感じます(笑)。無茶苦茶です。なぜ入国OKなのかは分からないです。
佐藤:タントさんは国内で外国人に教えるという面白い場に立っているんだね。
タント:僕は色んな言語を学ぶのが趣味なので、いろんな言葉を教えてもらいつつ・・。
佐藤:逆に先生が、彼らの言葉を教えてもらっている(笑)。
タント:たぶん、彼らは日本社会や日本語に興味が無いんですよ。日本語力が足りないので、金とか銀とか銅と言っても分からないので、とりあえず金とか銀とか銅をベトナム語とかビルマ語とかモンゴル語とかで何と言うのか、僕が学んで、(笑)

佐藤:それは大変だ、言葉が通じてない人達が造る建築の質は将来そうとう心配ですね。若者は3k業界には就職しないし、人手不足とは言われているけど、建築請け負い業界の問題だけど全体技術の質も低下しているようだね。
タント:15年ぐらい前に、私は大手ゼネコンにもいたんです。地方の現場でした。その時も日本語が喋れないブラジル人がいて、指示しても分からなかったですね。現場受け入れの時も文盲みたいな扱いで、飯喰うのも一人でぽつんといる。そういう人達が建築を造っているんですよ。
佐藤:昔の山谷や釜ヶ崎などの日雇い人夫と同じですね。山谷ブルースではないけど、彼らの働きがなければ道路もビルも造れない。
タント:最近聞いた話だと、警察が飯場みたいなのを黙認して造っていて。それで業界が回っているのもあるんだと、言ってました。防犯というニュアンスもあるらしいです。建築造りは一筋縄ではいかないですよね。上流工程で図面描いていれば出来るものではないですよね。



佐藤:土建業はそうです、図面描けても造る人がいかければ出来上がらないです。オモロイですね。教えてオモロイと言っているのはいいけど、タントさんの生活が成り立たないのを、奥様に何とかしてもらう(笑)贅沢な位置で暮らしてますね。
タント:今のところmyパートナーに経済的支援は受けていませんがたまに頼りたいと思うことはあります。大学院生やって、それでも年収を得て保ってはいますけど、時間が無さ過ぎて、本を書いてたりして。学校1年ぐらい休職したいなぁと思ったりします。やりませんが・・・。


実務系アトリエ先生は自己満足型?

佐藤:たいへんでしょうが、博論書くための教え始めたんだから退職しないほうがいいと思いますね。
タント:私の給料はかなり安いんですよ。でも同僚は事務所があって年に2,3棟設計しているから僕の2倍ぐらいの年収はあるんだろうな、と想像してます。うらやましいですね、みなさん優秀ですよ。

佐藤:他者を羨望しがちなんですね。実務・アトリエ先生は学校で教えてると周りに言い張れる(笑)。
タント:プロフェッサーアーキテクトみたいで格好いいですね(笑)。
佐藤:博士号も持たずにそう抜かすとすれば、酷い奴だ。
タント:そういうキラキラな人を見るとコンプレックス湧きます。いかんせん、こちらは生きているのが楽しくなくて苦痛なのですから。その結果、こころのすきまをうめるべし。俺も何かやってやろう!みたいな感じで、いろいろ仕事を受けてきたりするんです(笑)。本当に馬鹿だなと思っていて、こういうところが自分の悪い点です。

佐藤:他者に対するコンプレックスが研究などの原動力だと、疲れるね。気にせずこの事典のような内容は、まだまだ類型は出せるので淡々と続ける。4年も掛ければ1冊できる、飯は食えないけど。
タント:記事を50点書くのは、かなりキツかったですよ。
佐藤:完成してもさほど売れないでしょうし、3刷りだと1万冊ぐらいでしょうね。

タント:出版社にもいたことあるんです。(笑)3000部はければいいのではないでしょうか、教科書系の本って。(・・・・本の話をしている・・・)最初に企画を聞いたときは説明500ということでした。・・・だったので自分で大丈夫だろう、何かいいのが来たなと(笑)。
切っ掛けはこの本の関係者の皆さんが私のSNS見ていて、あまりにもネガティブなんで、たまに建築史のことを書いてた。そして、たまにどこの寺は・・・と建築の専門知識を入れていたんです。どうやらキワモノ・キャラとして知られていたんです。で、SNSで色々な人に相手をしてもらったことが本との係わりの始まりです。
佐藤さんとも相互フォローになっていて、僕は実際に会った時に感動したんです。僕は2,3年は活発に投稿してないです。

整理しないサイト

佐藤:感動されるように・・・そんな意図をもってmy・webを更新してないですね。SNSはメモ代わりで使っています。Xは見ているだけで、3・11の大災害時にはメモとして便利に使いました。そんな程度です。建築の設計者で右翼には会ってないですね。業者さんには超右派はいました。
タント:今の建築家はどちらかと言うと、新資本主義に乗っかっている人多いなという気はしてます。
佐藤:コスパいい、と言い張っている建築家だね。俺の記録はコスパ悪い、そんなことは意図なしで、検索エンジンに掛けても読むことないんじゃないかな。
タント:検索すると、何かで引っかかるんですよ。
佐藤:そうですか、初対面でも読んでます、と言われることはある。本人は赤面して読むらしいです。既におれは忘れている記録なんだけど(笑。

タント:それは鈴木博之先生が言ってたアーカイブのように、凄いクウォリティーで整理せずに公開されている、誉め言葉なんです。
佐藤:2000年だったかな、web公開し始めた時に思ったのは、編集しないような長い長い記録をストックし続ける、そうして淡々と続けて25年ほど経ちました。周りや他との比較したり、いろいろ考えたりしないで続けているだけです。
建築雑誌は編集している、文字数とページ数制限があって効率を追求し利益出す必要がある。売る本の編集フィルターで価値は統一されています。で、売るための根性が見えてくると退屈でうざくなります。人の生のように、ままの記録が面白いと思っていました。
私のweb記録は未整理で、誤字脱字が多くいはずです。ワイワイしてて私が面白いので、文字にしておく。後々、対話劇にして演じてもらえればそれでいい、そう思ってサイトを始めました。意味があるか?無いか?考えるなら更新しないです。サイトも茶飯事・日課にしてしまってるので、呆け防止にもなっていると思います。サイトに価値があるのか?、それは見た人が思えばいい、私には単に日課の一つです。

タント:誤字をなくさないのも戦略なんですよね。
佐藤:間違いのまま、それもあるか?(笑)。戦略があることにしておきましょう。本当のことを言うと50才でPC使いだしたから、ブラインドタッチ上手くできないんです。で、隣のキーを打ち間違える、と面白い言葉になったりする。PC方言になるので、面白いのでままにもします。漢字をまちがえたりもしてます。目が悪くなっていて見間違いもあり、無知も重なっているから、ままにしちゃいます。
最近、AIにFULL CHINサイトを読ませていて、改善しよう!と思った(笑)AIの応答は面白くないので、今のままで放置です。

タント:AI、馬鹿だなと思います。戦略分からないですよね。
佐藤:作ったwebページをボーカロイドに読ませて、ままにしたり、面白い間違いは残しておく(笑)。読んでて脳が関節外しに遇ったみたいで、あの面白さは捨てがたい。
タント:重複しますが、ネットは整理されてるようで、クオリティーが高いものが無い中身の無い広告が一杯出てきます。そういう中で、整理されてないように見えてクオリティーが高くって面白い、資料が一杯詰まっているのがFULL CHINだと思う。

佐藤:他のサイトと比較してないので、分からないです。でもAIに褒められました、建築文化を網羅してると。これは大嘘!ゴマすりAI、ゴマすりアルゴリズムを基本にプログラムされていると思うのが賢明でしょう。俺のサイトは建築文化を網羅してるわけねーよ(笑)。


サイト内の人々

タント:学芸出版社の社長さんの昔の話なんて、知りませんでしたもの。
佐藤:聞き取りしている人に対して将来どうなるのか、期待もしてないし、他者の将来の事は想像できないですね。俺、昔、社長の両親は興味深い活動していたので、聞き取りしてました。両親の家に10日だったか泊めてもらって、大阪建築人の聞き取りしたり、両親も聞き取りし、住宅作り話を聞き取ったりして、動画も編集し公開したりして、昭和をまま体現している興味深い戦中生まれのご夫妻です。



タント:旦那さんは山崎先生だというのも知らなくって。10年ぐらい追っているですね、それは凄いなーと思います。

佐藤:たまたま縁があって、今でも交流し続けている家族の一組です。それを知っている人はほとんどいないでしょう。私の聞き取りは「5年ごとに聞き取りに行く」、約束していたんだけど・・・、東日本大震災が起きて、暮らしの周りに放射能降って他者の話を聞いてる場合じゃなくなって、聞き取りの間は伸び放題になっています。できるだけ、追うように聞き続けてます。


 

タント:なんで記録しようと思っているんですか。
佐藤:建築界で生きている人の事を、俺はほとんど知らないんです。どんな人が建築界をどう動かしているのか・・などを知りたいと思い、それが動機の一番。
聞き取ってなんとなく分かったら、彼らはどのような人間になっていくのか?・・・観察したい、ということが二番目かな。1991年に日本の経済バブルが弾けて、95年ネットブームがおき、2000年ごろから世の中の変化が明らかになりだして、次はどういう世になるのか? そして建築人はどういう生き方をするのか、興味もありました。その見当をつけて、それらを継続して観ていると、私が生きている社会の事も、聞き取りの背景から見えてくる、それが三番目かな。

世の変化を他者を通して観るのが面白いと思いました。で、5年ごとに20年つづければ、何も知らない俺でも、具体的に少しは分かるかも? 人の人生は社会の変化に合わせるように変わっていくので、自身にとっては歪んでいくと感じるのかもしれないけど、変化します。1,2年では変化は分からないので、5年おきに20年聞き取り観察をつづければ、少しは分かるかもという動機です。

変わるんですよ、結婚したり、先生になったり、家を手に入れたり、いろいろ起きます。私の聞き取り記録を読んで好きになって結婚した人たちもでてきました。子供が生まれたり、いろんな事が起きますよ。若くして亡くなった人もいました。子供が大きくなってお父さんの居場所がなくなって、家から出てしまう人とかもいます。それらすべてが面白いんです。
会って初めての聞き取りしている時は何も分からないです。気になった点を追って聞き取りしたり。逆に聞き取り頼まれたり、聞き取りしろと推薦されたりして、私の想像を越えて展開していくもんです。他者の存在が私を面白くさせてくれるので、タントさんとは逆のタイプだと思います。

結果、残念なのは大方が大学の先生になってしまう事だね。アカディミシャンは針で井戸を掘る方々だから(夏目漱石『私の個人主義』参照)、あまり面白くない。専門家は世の中ではさほど役立たないと思う。それでいいんだけど・・。

■奥さんに支えられる研究者も多い


タント:なんだか、すみません。
佐藤:大学の先生なんかつまらない、と思うんだけど、初めから独立系建築家になれる人は大学の先生に成るより難しいので、安定した収入を得るためにはしょうがないかな・・・とも思います。タントさんのように奥さんに面倒みてもらったり、甘えてるのも、建築系の人は正しい生き方だと思うね。
俺は自分で働いて生み出した金は1円もないんです。モノを生産して銭を稼いでない、実労働はしてない、と思って設計してました。建築に関する情報加工するだけですね。
誰かが、設計料払ってくれて、誰かの懐にあるお金を使って設計した建物を建てて面白がっていただけで、生産してないです。
身銭を切って建てたのは自邸だけですよ。他人の財布にある金を活用し適当に生きてきたから、お金を他人から頂戴することに対しては後ろめたさが無い。で、乞食と同じですよ。子供にもお金頂戴と言います。くれますし、着物も子供の古着くれますので、買わないで済む。本も50過ぎてからほとんど買わないで、もらってばかりです。博論は酒などと、ぶつぶつ交換してます。
建築家は他人の金を使って好き勝手に造るための図面を書くだけの者だから、お金が無いからください!と堂々と言えない奴は建築家にもなってはいけない。建築家は自分でお金を稼いでいると、間違っても言ってはいけない。そんな気がします。

だから重源のように墨衣で妻帯せずモノをもたない。僧のような暮らしをしないと欲望に逆襲されて苦悶することになるよ。建築家希望者は多数いる、ような気がします。最近会った知人が、都心のマンションもっていて、「1億、儲けました」と喜んでました。何が嬉しいのか理解できないです。重源のように何も無い暮らしがいいのでは、と忠告しませんけど。マンションの価値が上がるのが嬉しいようです。
私は31才で自邸設計し翌年完成させたので、そこで人生の目標達成した。その後1994年、43才の時に建築雑誌に載せてしまって、建築家と言われたりします。45才過ぎてから、家も子供もあり成人しちゃったから、ずっと労働せず遊んでました。働かないので、妻が病になるとドンドン貧乏になり今日に至りました。人生貧乏になることが目的と言えるほど永い時間が過ぎました。

固まらず、一文字書く!

タント:生きるために必要なお金も必要なんですけど、気持ちとか・・・そういうのまで他人に要求しているから自分は気持ち悪いですね。
佐藤:タントさんは欲が深くって悩みも多く深くって、人間らしくっていいんじゃないですか。その状況を楽しめば。
タント:執念深いと思っています・・・笑。
佐藤:ウザイからあっちに行きなさい、と奥様から言われてない、愛されているんだからいいんじゃないですか。そういう関係もありだと思いますね。愛し合う夫婦など作り話です。小説やTVで幸い夫妻を流布している、その情報に惑わされることはない。変わった関係の夫婦のままでいいんですよ。タントさんは堂々と奥さんに甘えて、胸をはって論文をかき続ければ、それでいいじゃないですか。
俺には分からないんだけど、奥さんに後ろめたくなったり、同僚にコンプレックスを感じたりする暇があったら博士論文を一行、一文字書くほうがいいでしょう。
町場のアトリエ事務所の輩なんか、浮世離れした阿保だから、比べてコンプレックス持つ必要はないですよ。威張らせておくと、おだてておけばいいんですよ。タントさんより教養ないんだから。タントさんはアトリエの輩のような、おあがりさんたちとは違う人種です。気にしないで書けば論文あっというまにできますよ。

タント:ありがとうございます。
佐藤:いろいろ気になってやる気が多いけど、集中力が無いんでしょうね。
タント:もうやけくそで小説家にでもなってしまえばいい、などと空想します。

佐藤:小説家だって、いろいろやってる販促ユーチューブもしている。家事もこなして、世俗の用事もこなしているし、同時に何本も書いているでしょう、プロなんだから。毎日集中する時間を細切れにもって書いているんでしょう。籠り部屋でずっと書いている人なんていないんじゃない! 友達と呑んだり散歩したり、書けば書くほど、たくさん雑用もこなしている、そう思います。雑用・雑事に惑わされないと、アイディアの泉は尽きちゃうでしょう。

タント:思うことは一杯なんですけどね。何もできてないです。また、そういう時期がきました。
佐藤:そこで固まっているのね。一杯思うことを一行に書き出して、ポストイットにして壁中、天井中、貼り付けながら生活する。博論書いて、小説書いて、雑文書いて、評論書いて、同時並行で書く。そのほうがアイディア湧く!湧くと思います。思いついた先から書く。あとでいい文章にまとめて書こう、なんて思っていたら、よいアイディアは片っ端から全部忘れちゃいますね。

タント:だから、大人になれてない自分がそこにあるわけです。何も成し遂げてない。
佐藤:欲が深すぎるんじゃないの? 一つ書いて大喜びする、それを重ねる、ルーティンにしちゃう。整理して一本、一個ずつ書いていこうなんて事していると何も書き上げられないんじゃないかな・・・・。雑文書いて書きまくる、その先によい書き手となって現れる。書く前に我欲に阻まれて立ち止まっている、と何も書けないで人生は終わる。ぐじゃぐじゃ書きに書きまくると、ある年月に達すると全部うまく書けてしまう、そう思いますが。雑事に惑わされる、隙間時間にも徹底的に書いてやる、その踏ん切りだけあればいいんじゃないでしょうか。同時進行で笑われながらまとめてしまう。まず、本に50は文なったので、踏ん切りついてるんじゃないでしょうか? 他の雑・雑もやりながら本にしちゃった、わけですから。この調子で小説も書いて、教育もして、依頼があったら何でもやってしまう、それでいいんじゃないですか。

タント:御神輿に乗っちゃいましたからね!一人だけぶら下がっていたのですが。
佐藤:逆からみれば皆を持ち上げていた。その調子で書けば、あっというまにいろいろ書けるでしょう。中二病、まだ若い証じゃないでしょうか? 同時並行に書くと整わないと思い込んでいるだけで、自分の頭の中、美学に合わないと思い込んでいる。だから外圧が掛かると、何とか御神輿にもぶら下がったり、持ち上げたりできる。自身の迷妄した思い込み、筆の走りを止めてしまっているだけでしょう。奥様に尻を叩いてもらうしかないのかもね。ぐじゃぐじゃいろいろ同時並行は後ろめたいですか?やったことないからでしょう。

タント:未熟なんですね。
佐藤:未熟だなんて考える必要はない。両方の腕で違うことを同時に書いていけばいいだけですよ、考えずもっと仕事をしましょう!
タント:だから若い人に若いって言われるんですよね。こんなにメンタルが弱・弱なのに、大学教員をいまから目指しているのかよ!大いに矛盾してますね。

佐藤:あほでいいじゃないですか、そういうこと一般の人は挑戦しないから。世間知らずで未成熟な人でいいじゃないですかね。自分の事を実験して観つづければいいじゃないですか、他の人はタントさんに興味ないですよ。
これはいけちゃうよ俺!とか言いながら同時並行で何でも書く。大学教員もコースに入って成る、とつまらないですよ。タントさんはこのまま大学教員になっても、そこで満足できない人だ、と思う。

■ ゲーテ

タント:コンプレックスがあるので、埋めようとしてやっているので、どこまで行っても埋まらない、満足はないですね。
佐藤:欲が深いね。だからいいんじゃない、だからいろんな事に挑戦する。知らない間にいろいろ出来ちゃう人になるよ。大学の先生になると、上がりで終わっちゃうもの。あとは歌手と一緒で、型にはまった事を演じているだけに見えるよ。先生になった途端に面白くない人になってしまうよ。タントさんは未完、死ぬまで面白い人であり続けることが出来る気がする。
タント:だからゲーテなんかにはまっちゃって、エラい目に遭う。自分はゲーテだと思っちゃう。(笑)馬鹿です。
佐藤:ゲーテ演じて一生生き抜いたら珍しい人です、それでいいでしょう。ゲーテに成りすまして、「ゲーテの愛した建築に」ついて博論書けば1本出来上がるじゃないですか。
タント:ゲーテは「イタリア紀行」で建築を詳しく描写してます。ゲーテには「ドイツの建築について」という論文も3本あるんですよ。
佐藤:それを研究すればいいじゃないですか。ゲーテについて詳しく知りながら博論もう1本書けてしまう。人物に焦点を当てて、「ゲーテは建築家だった」という本を出せばいいじゃない。
タント:それを思ったりします。その前に別のことをちゃんとやれ!という話ですね。
佐藤:博論とゲーテ本、同時並行に書くのがいいんじゃない。ゲーテを愛しているんだから、1日10分ゲーテ時間にして1文字でもいいから毎日書く。生活習慣にしちゃえばゲーテの建築論できちゃうね。

タント:なのでnotoにちょっとずつ付け始めたんです。ちょっと進歩かな、と思いました。
佐藤:よかったですね。先日みましたけどnotoの文章は結構長いですね、10分では書けない。
タント:人に見せようという気はなかったんです。
佐藤:俺もFULL CHINを見せようとしてない。自分が何をするのか、自己観察してるだけです。タントさんも毎日ノートにちょっとずつ書いて更新し続けると、1年で結構な量になる、10年後には多量のゲーテ論が出来上がる。
一気に集中して書くのは人には無理なんだから、特性に逆らわず、ちょっとずつnotoをたくさん書くのがいいね。

タント:たぶん順番が決められないのと、高ストレスのタイプの人間なので。だいたい人は怖いんですよ。
佐藤:それは人間らしい、人が怖い?ゲーテは死んだ人だから怖くないでしょう。亡くなった人だけ自在に書き上げる(笑)。生きてる者は研究対象としない。
タント:四合院の中に籠っていたい!というのは本当です。
佐藤:籠ることが出来ても、頭の中は籠れないから実施しても無駄だと思うね。籠れる人は外に居ても籠ってしまえるよ。人が一杯いても籠れる。
タント:種田さんは私がメンタル弱いの解っているので、気つかってくれてるのは分かりますね。僕を知っている人は、あいつはどうもちょっとで折れる、というのが共通認識です。対応して話してくれるから幸せです。本当にありがとうございますとも言えないですね。
佐藤:俺はそういうのしないから、この聞き取りで、おおいに傷ついてください。
タント:こういうメンタルだから傷つけていることもあります。

佐藤:いままで聞き取りやってきてるので、何でも聞くから相当相手を傷つけていると思うんです。もめたから取り下げて、というのは応じないです。連絡しても反応してこなくなることもあります。文字起こした内容を伝送すると、反応しない人と、ぐじゃぐしゃ言って、私の将来の出世に関わるから、記録を取り下げてくれとか、そういう奴に限って、建築家になっていない、自称、建築家どまりです。



似顔絵

タント:これはまま起こしますか?
佐藤:問題になるような点、まずいと思う語りは文字にしません。あらかたは起こします。この聞き取り記録は実名公表しないので、だれと語り合っているのか分からないですよ。検索エンジンに引っかからないようにしますし。似顔絵描いたんだけど、ちょっと似てるかもしれないですね。
タント:妻がすごい似てるって、初めて人に似顔絵描いてもらった。(笑)
佐藤:これを観て分かる人だけは分かるね。でも絵は検索エンジンに引っかからないので安心です。

タント:ツイッターでの自己開示は多いですね。プライバシーはさきほどの家の平面ではないですけども、歩いているだけで分かっちゃう。歩いた瞬間に顔がばれてしまってる。どこに誰が居てと。隠す方が無駄だと思ってます。その一方でネットを使っている、その瞬間にどこで何やっているのか、一挙手一投が把握されている。

佐藤:中国ほどには到達してないじゃないんですか? テクノ封建制の奴隷ってやつになってはいますね。スマフォ持って、頻繁に使うたびにテクノ領主に広告料がはいる。paypayやアマゾンなど電子マネーを使っていると、その情報は売り渡されている。
タント:paypayは使わないです。ラインとかも嫌です。それでも管理者は十分に分かってしまう。
佐藤:デバイスもっている者はテクノ奴隷になってしまった現在、IT機器を使って暮らす者はテクノ封建制の領主から誰も逃れられないですよ。嘘情報を流してたり、あり得ない話をしているのが多くの人は楽しいんでしょう。

タント
:ワーグナーの歌劇とかゲーテの小説は激しく心を打ちます。他人には、こじれて言えないような恥ずかしい感情を、人間のスケールを越えた、誇大妄想的レベルまでふくらませて肯定的にそして感情的に煽ってくれるので、とりあえず元気が注入されます。あっすごい恥ずかしいことを言ってしまいました。
佐藤どちらも読んでないから分からない。

タント
:僕は憂鬱でネガティブな人だから、今はモテない人間です。1970年頃大学生だったら、もててたと思います。
佐藤:ならそれを小説で書いてしまう。小説の中で幸せになればそれでいいじゃない。もてもてのタントさんを小説のなかでタントさんの思う幸せにしてあげる。それいいじゃないですか。
タント:佐藤さんぐらいの年齢の人達が若い時分に、左翼で、ネガティブで「俺ダメなんだ」、と「太宰が好きだ」、と言ってたらモテたと思うんです。時代によって好まれる性格というのがあるんじゃないですか。好まれる考え方も時代と共に変わるじゃないですか。
今、LGBTという用語を定義して人権を守ろう、と言ってますけれど、1970年代は病気と言われたり、変態と言われていました。モラルだけではなく、学術的な概念すら10年ぐらいで変わるので、今、新しいモノ言いには簡単に乗りたくないです。

佐藤:今世紀には女装して司会して稼いでる芸能人もたくさん、います。1970年代は居ませんでしたね。
タント:井上章一の著作によると同性愛者の秘密結社みたいなのがあつたと書いてありました。


コスパ・タイパ

タント:。ここに中央公論あるんです。大正13年のものです。
佐藤:どうしてそんな古い、100年前の中央公論を持ってるんですか。
タント:これは研究材料です。東京の震災復興の施策について書いてあります。家についても書いてある。プライバシーは西欧では言われているけど日本では時期尚早だと、書いてある。100年前に最先端の論客たちがそんなこと言っているんですよ。今も田舎に行くと100年前のままだったりします。10年そこらで変わる流行には乗りたくないです。
佐藤:それは正しいよ、コスパとか言うやつ20年前いなかったもの。
タント:コスパもありますけどタイパもあります。タイムパフォーマンス。

佐藤:人生をコスパやタイパで考える者はいなくなってほしいね。タントさんは逆でいいね。
タント:時代に逆行してますよね(笑)。
佐藤:どちらも逆行しているかは分からないけど。
タント:そうか、逆行してないけど、時代と無関係に生きるということですね。
佐藤:それは、他者に乱されない生き方なので間違ってないですよ。

タント:ゲーテも田山花袋永井荷風も時代と関係なく生きてますからね。



佐藤:永井荷風いいじゃないですか、戦争で大騒ぎしている時代にストリップ小屋の楽屋にいって、ケチなんだけど人気者していた。
タント:ああいう風情もあります、僕は。
佐藤:女好きもいいじゃないですか。奥さんに怒られちゃうね。荷風は頭のよくない、世間知らずの踊り子たちと遊ぶのが好きだったんだと聞いたな。教養ある女性は好きそうじゃない。彼は裕福な家庭で育って、アメリカやフランスで修行に行かせられて、現地で女遊びして帰国して、戦争してても知らぬ顔して女あそびをし続ける。戦争を選ぶ男より、女と遊ぶ男は間違ってないですよ。
タント:永井荷風と田山花袋も読みました。小さい時は家が女性だらけ、部活は吹奏楽部なので、吹奏楽部なので、昔から女性の中で暮らしてきました。女性多数の中で育った男というのは意思決定で弱者になりがちなので、意見をはっきり言えなくなる、らしいですね。今もメールの8割は女性だったりする環境ですユングのアニマアニスムでも勉強したらわかるのでしょうか。
佐藤:そういう環境で暮らしていれば、若い女性の扱い上手なんじゃないですか。
タント:人が恐いので、ごく一部の女性を除いて近寄ってきません。「あなた本当意気地がないのね」、とある女性の先生にいわれましたが、とても粋でメンターとしても素晴らしいと思っていました。
建築も時代に流されてほしくないです。だから僕は古建築に胸を打たれるんです。普遍性があるような気がしてて。
コロナの時に、アフターコロナの建築という課題が出て、いろいろな建築家が言っていた。コロナって2年ぐらいだったし、その2年で建物変わったか、と言うとそうは思わない。

佐藤:東日本大震災と、福島の原発事故でも建築は資本家のためにあるのは変わらない。で、何が起きても変わらない。新型コロナ・感染症はエイズとは違って空気吸うだけで感染するから大騒ぎになったけど、今の人間は感染症を何度もくぐり抜けて生き延びた遺伝子持っているので、簡単には亡くならないでしょう。
放射能沈着には参りましたよ。逃げるつもりはなかったけど、環境変わると妻の精神疾患は重くなるので、避難指示出ても避難しないつもりで事故以前から暮らしてました。
タント:そういえば知り合いのアトリエ建築家が出す課題がアフターコロナでした。「皆さんはコロナになってお父さんとかお母さん在宅勤務になりましたよね、」って言うんです。しかし、教えている場所は職業訓練校みたいなところで、そこに来るような家庭の親たちはホワイトカラーじゃなかったりする。コロナでも在宅勤務にならないんです。そこから的を外している(笑)。

佐藤
:受講生がどういう環境に暮らしているか知らないでは、教えられないでしょうね。
タント:それこそ、断熱材を吹き付ける仕事に家業に就きたい受講生がいるんです。そういう受講生に、アフターコロナとか、フランクゲーリーとか、チタンの造形はどうとか、教えているのは、理論立てて教えたいならいいんですけど、自分の趣味を押し付ける。それは両者にとって時間の無駄で笑止千万としか思えない。
佐藤:アトリエ系で非常勤してたら、大方それじゃないのかな。ほとんどそのタイプでしょうね、教わったことないけど・・。
タント:人のこと言えないですけど、ある人のブログで頭の良さを出そうと思って、ゲーテの引用がありました。それがなんとなく英語でした。ゲーテは英語では書かない。ゲーテを愛好しているので、そういうのを見るとムカムカします。何か飛躍してしまいましたね。


佐藤:それでいいでしょう。ゲーテはドイツ語で話したり書いたりしないと間違いでしょうね。感情に関する文などの詩や小説は特に母国語で表す。知ったふりしてブログビューを稼ぐなんて発想は理解できない。そういう人が俺を見てコスパが悪い!と言うんだろうね。人生コスパもタイパも悪いのは当たり前だろう。人生に価値なんか無い、意味も無いんだよ、馬鹿だね!と思うけど。こんなに豊な世にあって、若い彼らがタイパ・コスパを問題にして何かに挑むのは理解できない。コスパ悪くってもその方が楽しければいいんじゃないか。
タント:それがあるから人生に学びがあるわけです。永井荷風の日記を読むというのはそういうところに意義があります。荷風のあのお姉ちゃんが好き、あの芸者が好き・・・っていう日記を読む理由はタイパ・コスパを越えた、人間の大切なことを知るために読んでいます。

佐藤:コスパやタイパのいい奴を目指している奴は群がっていて、AIブームも一緒かな? 吹聴する輩は金儲けのために囃しているように聞こえます。自身がタイパ・コスパの不安を抱えている者が群れてそう言う・・・と想像しているだけで、そういう人がいてもいいが、俺に近づかないだけ。タントさんの場合は近しい所に来ちゃうから、やり難いですね。
タント:自分が彼らに対応してて限界に達してます。だから私は人間の集団とか駄目なんです。
佐藤:都心は人だらけですが。嫌なことは、首になるまでぷらぷらしていればいいのではないですか。
タント:博士課程もやって、それも首絞めてますね。
佐藤:首が絞められないように右手と左手で同時に違う内容を書くと。
タント:磔刑、四さきの刑です(笑。この三年間は四さきで暮らしてました。それに加えG父が亡くなり、妻が地元に戻りG母は施設に入り、私の居住地の選択が求められ・・・・ぐったりです。
佐藤都心から地方へ引っ越し、奥様に家事をしてもらって支援もしてもらってたんだね。
タント:そういうわけじゃないですけどね。
佐藤:奥様の存在がタントさんの心の支えだから、一人暮らしになると不安になるのはしょうがないね。

情と非情

タント:私は情が原動力なので気持ち悪いと思います。心理学でいえば依存です。
佐藤:俺はさほど他者に影響うけなかったね、他人に影響受けていると建物は建たない。モノ相手で建築を造るからね。
タント:自分は情が美徳なんです。
佐藤:俺は非情な点も持っている。建築設計してて情に流されると、まとまらないです。そこタントさんとは少し違う。建築は周囲に暴力をふりまきますから、情を持ち出すなら建築は造らないのがいい。

タント
:私は人間に執着します。人間にある意味興味があるんですよね。でも近寄りたくはない、と思うんじゃないですか。やはり恐怖には変わりない。
佐藤:なるほど、他者は理解できずに終わりそうですね。そういう立場で生きてても、十分面白いからいいじゃないですか。
タント:僕は個性的ではないですよね。
佐藤:十分個性的ですよ。人間の大方は皆個性的ですよ。会社機械人間は個性消して給料もらっているけど、機械人間の一皮むけば個性だらけよ。社畜と言われる人たちは自分自身で個性を忘れるように努力して勤めている、そう見えます。立派とも気の毒とも、どちらでも言える。そういうストレスフルな生活は貧しくなってる今でも演じたいと思わないです。


コンプレックス

タント:私は小さい時からいろんなコンプレックスがあるプロレタリアートだと思っているです。
佐藤:お金がない貧乏なんだと語りますがタントさんの生活が貧しいとは思わないね。
タント:それ共感します。僕お金ないですけど、自分を選んでくれたmyパートナーには体験で返している。
佐藤:素晴らしい!
タント:タントを選んだから、味わえるイベントが起こったら彼女に返せた!と思っている。旦那の書きモノが売られているとか、旦那がニッチな所に連れていって楽しませてくれるとか、旦那が東大でているとか。私たちの故郷では提供できないことをしていると思います。東京生まれのブルジョア、エリートなら普通かもしれませんが、世話になった人にはお金では返そうとしないです。経験とか、これはウザイかもしれないけど、知識で返そうとします。面倒くさい男になるので注意はしています。
佐藤:タントさんはそれなりにパートナー孝行してるんですね。俺は、返すとか借りるとかの関係じゃなく、ずっと付き合い続け暮らしていればいいという構えです。
特にお金を介した人間関係は継続しない、と感じて生きてきました。だから返すという発想はほとんどしないです。

タント:確かに、貸し借りの関係はよくなくって、それに価値を置いているのはよくないとは思います。僕がそもそも人間関係継続しない男なんですよ。しかし、myパートナーだけは25年以上も一緒にいるのだから、無条件、関係なので、やはり、これまでの人生で得た最も素晴らしいものだと思います。

佐藤:べたべたと毎日語り合っているわけではないけど、緩く長い付き合える(語り合える)他者と多く関係している。けど、情報をときどき発信するので反応する人もいます。俺から絶縁はしないです。お互いどちらかが死ねば関係も切れます。
一方、老化現象ですが行動範囲が狭くなって、生きている間はときどき思い出して連絡し、会ったりオンラインしたりする、その程度でも繋がっています。
金銭を介する商売目的で交流しない暮らしです。

タント:僕は資本主義的人間ではないです。東京のように資本主義の塊みたいな町を観ていると不愉快!
佐藤:都心も他の町もそのために機能している都市だからね。現在のように株などの金融主義、後期資本主義に日本も突っ込んで久しいです。トランプ現象みたいに自分ファーストになっていくしかないですから、都民ファーストもお金儲け主義だ。金額を増やすだけのためにシステムが動きだす、分断と対立と孤立が拡大するむなしい世界に生きるしかない。

高層化と一極集中のエンジン起動中

タント:利潤を利潤を生むために使っている、そういう状態は嫌です。
佐藤:現世は皆・高利貸の精神で「銭や銭や。」と言い合う。じゃないと投資社会は生きられない人! とレッテル貼られる。
タント:近頃はビルとかがそういう形態になっているじゃないですか。
佐藤:資本を大都市、日本なら東京に集中して、ビルも高くし資本回収をするのが大好きなんで・・・。
タント:背の高い建物のとしては最悪の形態ですよ。

佐藤:見た目に藝術という文化の表象をまとわせない、無駄な資本を投資する先が無くなっているから、ビルを単に高層の上に高くして投資するしか儲け口がない、で儲けようとするしかない。東京駅周辺に超・超高層をどかどか建てて一極集中を企て、資金回収を容易にしようとしてる姿ですね。隣の容積空地を買い取ってさらに高くなる。

タント:あれ、すごい嫌ですよね。東京駅を守ったと称して、東京駅自体は重要文化財、とは言ってますけど、空中権を売ったと称してる。しかし、その売られた「空中権」は東京駅の周りにあるいい感じのちっちゃい建物を壊して、周りに高層ビルで一杯にしつぃまって圧迫感しかありません。東京駅周辺は昔のままでよかったのではないか、と思っちゃいますよ。戦後復旧の状態の方が長く、多くの人にとって、「東京駅」とはそれを指しました。でもどうでしょうね。

佐藤:日本の金持ちたちは、東京にお金も人も物も情報も集中させて、利潤を得る。一極集中すれば効率をあげるには都合がいい、儲け主義者たちです。効率よく儲けようとしているだけでしょう。地方は疲弊して人が暮らせなくなって、無人地域がドンドンできていく。それも儲け主義者には都合がいいんですよ。人の居なくなった土地は安く買い叩いて、手に入れたら何でも造れる、人が居なければ公害も騒がないでしょう。地方から東京に集まってきた人々は高家賃の家に住まわせ、派遣で働かせ、奴隷化を促進できる、それが目的ですから、東京一極集中のベクトルはやみませんよ。
タントさんを奴隷人間化して使ってやるか!と思わずとも東京に集中することは、そういう暮らしを強いられ、心身に害を与える場所でもある。資本家は儲ける場所はここしかない、と思い込む。同様に政治家も東京ファーストを叫び、集票し地位を高める。そういう政治と経済の循環が30年以上続いてますので、止まらないですよ。

首都直下型地震に遇うと、ますまつ強く便利な一極、トウキョウを造り上げることでしょう。でその後も皆さんトウキョウにしがみつき生きる。

 
現在 地元は夜暗い 東京は常時明るい

タント:地元に帰ってみると、夜が暗いんですよ。公園も雑草でぼさぼさ。10年前はそんなこと無かったんですよ。
佐藤:名古屋に出て、資本集中して回収しようとしているのかな?
タント:名古屋もすかすかなんですよ、よくわからないけど。

佐藤:トウキョウに吸い寄せられちゃっているんだね。
タント:トウキョウは空き家も少ないし、夜も明るいし。地方の空き家は倒壊寸前で更地になったら、雑草ぼうぼうです。そして、東京の空き家はまだ住めそうな気がします。故郷は公園と呼ばれる土地も雑草だらけで入っていけない。高校生まで住んでいた時はそういう状態ではなかったです。
佐藤:地方に投資先が無くなった具体的な証ですね。人が少なくなって、自然というか、大地は天然に帰っていく様が見えるんだと。東京一極集中と地方が天然化して行くのはセットでしょうね。資本家にとってはトウキョウは奴隷化しやすい人が集まり、資金回収しやすい唯一の場所になるんですよね。地方は人が消えて熊やイノシシが増える。その後には無人工場を建ててエネルギーと兵器製造など、モノも作る場所に変えていく。

タント:そうなると国土の一体化はなくなるわけじゃないですか。北海道の先まで鉄道が無いならロシア領でいいんじゃないか、と。沖縄って他の国ですよねっていう主張もなりたつ。
佐藤;不沈下空母の両大地は米国にとって要る。政治家の語りは嘘が多いんじゃないかな。国土発展とは言うけど、福島の復興とも言い続けているけど、農業からロボットなどの産業へと入れ替り、見た目の復興をささえる。元住民は移住させられ、地元民じゃなかった人が植民となってフクシマに入る。大災害のたびに原発事故後のフクシマ現象が津々浦々まで広がり尽きるまで、東京一極集中と地方の無人化への力は止まらないと思います。

タント:東ローマ帝国、(ビザンチン帝国)はコンスタンチノープルに一極集中していたいので、地方が疲弊したそうです。
佐藤:今はまだ滅亡が露わになっていなくって、フクシマ現象が各地で露わにならず、広がる前段階。団塊の世代が亡くなってしまうと、ようやくそうなる。
タント:たった100年前は大阪は商都で物が集まってきて裕福なお金持ちが一杯いて、政治は東京で、「こういう文化はここで」、と地方性があった時代はいいですね。なぜこうなったのかな。
佐藤:89年に冷戦構造が消え資本主義が過激に加速したからでしょう。100年前は昭和が始まり戦争と敗戦に突き進みました、高度成長期によって一層地方が消える地ならしをしていたとも言えるのかな。100年前の昔は良かったのかな?どこまで戻ると人の暮らしに良かったか、知識がないので、分かりません。敗戦後もコスパが悪い地方は消えていった。そこで、フクシマは地方の空洞化と低経済に抗って原発誘致して地方(フクシマ)消滅を誘導して、原発立地・地域は政府の植民地になったとも言い換えることができそうです。ああいう事例は次を想うのに大切だったんじゃないかな。
今後は資本家以外は全員、テクノ封建制の奴隷民になるんでしょうね。その方が資本家は利潤を上げやすいと、考えているんじゃないですかね。プーチン大統領のような時代と違う行動もする権力者も現れるので、大混乱と戦争は続くとも思う、それが現世。



タント:変な事言っちゃうんですけど、国鉄みたいになっていればいいと思っているです。あれはあれで問題もありますけど、直用っていいなと思っている。時代遅れの変なこと言ってますが。
佐藤:派遣会社に中抜きされるより、労働者の心も貧しくなるよりは、双方にとってずっといいですよ。
タント:1980年代では国鉄の社員は40万人いて、それが日本の労働者の気持ちを吸い上げていました。そして政府と直接交渉できました。あるいは三公社五現業(日本国有鉄道・日本専売公社・日本電信電話公社の「3公社」と、郵政・国有林野・印刷・造幣・アルコール専売の「5現業」)があって、労働者がそのまま、国に直用されていて、労働者の気持ちが国策に活かされる。そのような社会。社会主義なんですけど。私はそういう社会がいいです。その中から優秀は人が指導的立場んいなっていくのです。

佐藤:敗戦後の日本はある種の社会主義でもありました、同意します。イギリス病を撲滅するためにサッチャーが登場して、ロン・ヤス会談(レーガン大統領と中曽根康弘総理、1983年)によって、日本は国鉄解体などの小さな政府、新自由主義に舵をきり、2000年代の小泉・竹中改革で派遣社員爆増して25年経ちました。
結果はタントさんが見ている地方と地方に暮らす人々は消えて、県庁や市役所も派遣社員が増えていく。それを皆で観ている。東京だけが外国人も吸い寄せられ資本家にとって栄え続ける、それが現在ですね。



タント:青年団みたいな人達や労働組合活動をしている人達も、国民の意見を伝える役割を果たしていました。その間にあって自民党はそれなりの意味があった。今はファッショじゃないですか。それは不愉快ですよ。
佐藤:極右化の世です。25年前から不愉快な状況は日本の、業界の隅々にもありました。動労組合ベースの、国民民主と立民も仲が悪い。資本家の思いのままに政治は繰り返して動いてます。ハイテク化進行の下で労働者は奴隷化しているけど、コスパ、タイパと言い合いながら貧しいもの同士が首を絞め合う、資本家にとっては好ましい絵柄ですよ。

タント:度合いが違いますよね、20年前は変な奴だなと思っていたぐらいなのに。
佐藤:国内の労働者は組合解体して、最初から国民に組合手法は無かったともいえる、首になるとキャリアは加算されず、ゼロから新人扱いで給料下げ雇用できます。ドイツのようにどこで働こうがキャリアは加算され、同一賃金という仕組みを持ってないので、雇い主にとっても資本家も、奴隷化を押しすす安い国柄です。
雇用されている者も、大企業勤務の東京の友人はタワマン値上がりして「タワマン買ってこの10年で1億円儲かってますよ、妻と投資してさらにリッチになり、家庭での会話は子供とも英語です。」と言ってます。若い人もそれを見てて、東京に集まり、一流建築会社に入りたいんです。東京芸大を修士を出てもスーパーゼネコンに入社する、そういう世情です。(参照:動画へ

安倍長期政権で安倍さんやりたい放題やってても、マスコミも国民ももろ手を挙げて喜んでいました。マスコミも消費税あげる、電波止めるよ、と脅されて安倍さん詣でして、従ってました。25年間、この流れで良いと思う主権者多数だったのです。サラリーマンという機械人間になりたい人が多数いて、黒いリクルートスーツ着て電車はぎゅー詰め、それを見てました。だから東京に一極集中し、周囲は荒れ野に変わるまで、一方で人口減少もそれを加速するんじゃないですかね。現在の一極集中と地方の空洞荒地化の行きつく先を、俺は見届けることはできないですが、長生きして見続けていきたいです。


雑文書く

佐藤:タントさんが博士論文を加速させて、博士になってるでしょうから、一緒に見届けてもらいましょう。1本仕上げるとその後はスイスイ書けるようになるんじゃないですか。

タント:それまではあほみたいな紀要や雑文を一杯書いていたんですよ。質の悪い文章を書いてました。が、それすら書けなくなり3年経ったので、メンタルの話なんだと思いますね。
佐藤:自分で病名付けて、逃げ込むのもいいけど。余計なことを考えずにひたすら書き続けるのがいいのでは?
タント:今は自分語りの時代ですから。自分をメンヘラとか言ってごまかすわけですね。
佐藤:総・自分語りの世か? 今世紀にSNS登場してからは、確かにそうかもしれない。
タント:その時にメンヘラはネタとしていいですよ。建築家の自分語りもある程度プロフェッションがついてしまえば、自分語りでいい。

佐藤:建築家は自分語りしかしないでしょう。
タント:自分の作品語りに集中している(笑)。

佐藤:先に渡辺豊和さんの話をしたけど、彼は宇宙を語り妄想で造る、幻想の中に暮らし妄想で建築をつくる人でした。そういう人を観続けていたんです。非現実的語り、書き夢想空間の中に生きていた。一方で、現実の若者に向かって怒鳴り散らすなど、現実と幻想の橋渡しは不可だな、それを観てました。敗戦前に生まれた人特有の逃げ方とも言えるな・・分からんけど。浮世離れしている先人を観ていました。

私は1984年から「建築あそび」をひらいてて、妻の病が重症化したのを切っ掛けに、他人の家に行き、聞き取る(ことば悦覧)。それを2007年に始めました、平凡な今どきの建築家にも多く会いました。、非凡な建築家も少なかったかもですね。この建築家は著名になるな、というのは若い時でも分かります。どこかブチ切れて、浮きよばなれしてて、個性的ですからね。偏っているともいえるな。


白井晟一も好き、村野藤吾もゲーテも好き

タント白井 晟一はどう思いますか。現代建築の中では特異な位置にいますよね。
佐藤:秋田県内にある役場とか、秋の宮温泉宿は泊まりましたけど・・・・金持ちによる金持ちのための建築家で、私には縁がない人だと思いました。東京タワーの展望室からも見えるノアビル、めっとしてて男根風かな。新宗教の建築に合ってそうな建築家に見えます。造形が好きでもないし、分からないです。
タウト:私は重源と白井晟一が好きで、建築でこういうことを言うと中二病と言われちゃう(笑)どちらも「特異」しか言えず、時代と関係なく生きているといいますか。重源はワーグナーのようなスケール感がちがいます。白井も建築の潮流から離れてメンタルが籠ってしまいますよね。

佐藤:白井さんの何を評価しているのか? モダニズムの建築からずれているから人気があるですか。重源とは基盤と暮らし方が違いますよ。金持ちだろうし、物も奥さんも持って、世俗的にも高貴な人なんじゃないかですかね。俺には無縁の建築家だと思います。白井さんは建築家はペテン師だと思っていず、本気で建築家を演じてる人。重源はまじに権力者の嘘を知ってて嘘で応答した建築を造ったんだと誤解しています。じゃないと巨大な門や東大寺再興できないはずでしょう。

タント:重源の経歴書は嘘が多いと言われてますから(笑)
佐藤:宋に三度渡ったも嘘で、それでもって造ってしまえば現実。中世のペテン師なので現代的ですね。それは同意します。人を動かすために嘘でもなんでも駆使するでしょうし、演じたでしょう。だが自己の利益追求しちゃう現代的な嘘つき資本家や政治家、建築家とは違い、モノを持たない点がいいですよ。阿弥陀で救済の世は無いと分かっていて、人をだましもし、本気にさせちゃう演技力。金の集めかたもうまそうだし。乞食から天皇まで、誰からでもお金を集めるのもいい。

タント:それはあります。
佐藤:重源のいいところは自分のためにお金を使わない、あれはいいですね。お金も貯めない妻帯もしない。財産何も持ってないけど乞食には落ちていかない思想的基盤を鍛えている。その点がいいです。筋金入りのペテン師だなと思いました。
現代の建築家は妻帯しているは、タワマン持っている、株券投資して儲けている。他人のためには金を使わない。自分のために学生もただ働きさせるは、帝王型になりたいだけでしょうね。死んでも使いきれない金をためるのが楽しい、建築家に憧れるので彼のもとに学生は集まって来て、少しばかりの学費も親を通して巻き上げられちゃう(笑)。なかなかアクドイ嘘つきたちですよ。
白井さんの実像を理解してないです。白井さんのオモシロさを教えてください。
タント:僕は白井の内向的な感覚が好きです。窓が少ないし、閉鎖的な建築。下界から分りして籠ることを美学にしています。時代とは関係なさそうですし、四合院に籠りたい私のメンタルにぴったりです。ただあまりにも嫌らしいところがありそこは嫌です。松涛美術館も本当に嫌らしい、ブロジョア階級の応接室みたいな雰囲気は嫌だなと思います。うのぼれ感が凄い(笑)。ここは選ばれた者しか入れません」と言わているような気がします。
佐藤:それは建築家らしいね。権力好きとエロい感じがしますけどね。
タント:今の建築家たちは、外から一杯光をいれようとします。流行ですね。透明性とか開放性とか言って。でも白井は内に籠ることによって色々なことを考えたわけですよね。「軽い建築」が苦手なので安心します。
佐藤:鉄と硝子とコンクリートとは違って生物のように穴の少ない塊に見えますからね。高松伸も似たような感じ、エロイじゃないですか。大きな建築になるとどうなったのか、知らないですが。
タウト:知ってます。確かに浮世離れしていますよね。
佐藤:白井さんもいいけとゲーテで一本書いてください。
タント:現代の建築で好きなのは村野藤吾と白井で観てていいなと思います。今のところ、単なる感想で悲しい(笑)。


■ 震災復興と建築で書く

佐藤:ゲーテの建築について書いてください。
タント:しかし博論は関東大震災の復興と建築です。
佐藤:ではその話を延々と聞かせてください。それをたたき台にして論文の下書きにしてください。10回20時間ほど聞けばまとまるでしょう。論文の長さは最低何文字と決まっているんですか。
タント:査読論文は10頁です。1万5000字ぐらいです。
佐藤:たいした文字数ではないですね。
タント:気持ちの問題なのです。
佐藤:次回からはそれについて語りだすということで・・話をまとめましょう、俺全く知らない人だから。建築家の話も入っているんですか?
タント:まずは建築家です、今は都市計画の研究室にいるんです。都市の方から攻める。
  博論の語りを始めるタントさん

佐藤:いろんなところにやり残しがあって悩みますね。
タウト:若い時からいろんなところに穴ぼこが空いていて。東大で修士から上にいくとき博士課程を落とされているものあります。こういう経験をしている人はすくないはずです。
佐藤:聞き取りしてて京大博士課程で書けず、工芸繊維大学で書いている人、3人聞き取りました。東大博士めざさずランクを下げちゃいばいいだけでは? プロフェッサーに価値の差はないでしょう。自分に合った、楽しい大学で学位をいただくのがいいのではないですかね。タントさん博論語りをしている・・・

佐藤:その変なプライドは無駄!東大に恋慕するのは無くてもいいような、分かったような分からないような。
タント:あまり分からなくっていいです。
佐藤:3時間ちょい駄弁りましたので、今回はこれでお仕舞にしましょう。3時間起こしますけど読むのも大変だと思います。3分割しますので目を通してください。
タント:僕もまともなことを喋ってないので・・・・。
佐藤:加筆してください、お待ちください。 今日はこれでお仕舞にしましょう。
タント:ありがとうございました。

佐藤:文字にしましたら送ります。ザクザク削除しないで加筆してください。問題になりそうな肉声は文字にしません。加筆、書き換えなどして送り返してください。しょうもない事をしゃべっていたな〜という内容も、20年後は懐かしくなりますので、半分に削るとオモシロさは消えてしまいますので、ご注意ください。

タント:3時間もお付き合いいただきありがとうございます。本当に滅入っていたところでしたので、助かりました。
佐藤:気分転換になるのでいいでしょう。とにかく毎日博士論文を書きなさい!ということで。何やってるんだお前は!よそ見せず書け。
タント:はい!100年前に中央公論がここにありますから。
佐藤:何度も読み終えたんでしょう。PCに打ち込んだんでしょうから、あとは書くだけでしょう。
タント:そういうことです。
佐藤:目指せ15000字ですね。
タント:そうです。
佐藤:今日はタウトさんさっさと博士論文書けや!という3時間のまとめでいいでしょう。さっさと書け馬鹿者!!ですね。タントさんはいい環境に暮らしていてうらやましい。僕の方が先にくたばってしまわないようにします。2,3年目標でワイワイしましょう、今日はさようなら・・・
タント:ありがとうございました おやすみなさい!


 タントさんに聞くお仕舞です 文責:佐藤敏宏