鈴木達治郎先生 2020年代を語る   2025年5月20日-19時〜   作成:佐藤敏宏  

ピースデポ代表に

佐藤:よろしくお願いします。
鈴木:ここが私の新しいオフィスです。
佐藤:長崎市内ですか。
鈴木:長崎大学を退職しましたので、移動しました。でも長崎市内です。

佐藤:正式名称はなんて言う場所ですか。
鈴木:ここは部屋を借りてるだけです。ピースデポというNPO法人があるんです。4月からそこの代表になりました。
佐藤:ピースデポは核廃絶に関する問題を語る法人ですか、パグウォッシュ会議との関連ありですか。

鈴木:パグウォッシュ会議とは直接関係ないです。日本ですでに30年近く平和活動をやっていて世界のNGOと連携した活動を目指すNPOです。
佐藤:長崎に本部があるんですか。
鈴木:本部は横浜です。recnaの前のセンター長だった梅林宏道さんが作ったNPOなんです。彼がずっとやってきたんです。私が「長崎大学を辞めるならおいで」、と言われまして梅林先生に言われたら、「ノー」とは言えない。

佐藤:その代表はどのぐらいの期間務められますか。
鈴木:5年ぐらいですかね。
佐藤:長崎は食べる物も美味いし、歴史遺産も多いですし気候もいいですから、ずっと暮らしていてもいいですよね。
鈴木:ちょうど1年前ですよね。

佐藤:そうです、長崎を訪ねたのはちょうど一年前です。戻ってから長崎の歴史を勉強しまして
鈴木:(笑)来ていただいてありがとうございます。
佐藤:26聖人記念館を体験して被害の歴史だけだの展示だったので、ポルトガルやスペインなどによる加害の歴史が展示されてないので違和感を持ち、福島に戻ってから調べました。『戦国大名と大航海時代』(平川新著)が2018年に刊行されてますので重ねて勉強しました。

鈴木:大笑いしている。

佐藤:ポルトガルとスペインが地球を二分して植民地化して日本にやってきましたけど、戦国大名たちの戦乱期で世界最強の武装軍団だった。宣教師たちは日本の植民地化を諦めた。彼らは、秀吉と組んで中国を植民地にしようと計画変更してたようです。宗教は押し付ける、奴隷商売する、麻薬を売りつけるなど暴利を貪り、今からみると人権侵害たりしました。南蛮人のほうが秀吉より危険な輩に想えました(笑)鈴木先生は佐賀の名護屋城を見にいかれていましたね。グラバーについても調べました、グラバーは資金繰りヘタクソなので繁盛倒産したり、高島炭鉱を採掘し始めるが石炭がでず、岩崎弥太郎に売ったとたんに採炭どんどん掘れて汽車や汽船んなどの燃料とし、て三菱財閥の基礎を築きまった。文無しのグラバーは弥太郎との関係でしょうか、三菱の顧問として雇われるなどし、日本で一生を終えました。

鈴木:長崎は三菱の城下町だからね。

■2020年代を語る

佐藤
:伊藤博文が麻布にある家屋敷をグラバーに贈ったので、この5月に港区歴史資料館で調べましたが、詳しい資料はみつけることができませんでした。
話がそれました。今日は鈴木先生2020年代を語るです。新型コロナ、2020年はパンデミックによって始まりました。福島市でも(2020年4月16日)に号外がでまして「全国に緊急事態宣言」です。鈴木先生は4月18日に長崎新聞に原発事故とパンデミックの内容を話されていますね。

鈴木:パンデミックと原発の話ね、書いた、書いてくれと依頼がありました。
佐藤: パンデミック対策と福島事故の教訓 -リスク評価とリスク管理の分離が必要と5項目を指摘されています。

 1. 「命を守る」を最優先に。
 2. 「代替案」を検討せよ。
 3. 「世界の英知」を活用せよ。
 4. 「科学顧問組織」を設置せよ。
 5. 「透明性と信頼性」の確保を。

「科学技術をめぐる政策、専門家、市民社会の 信頼関係の再構築にむけて、」という内容でした。政府による緊急事態宣言がでた日に取材されたんですか、原稿依頼があったんですか。誰でもが自由に発言できるようになったSNSの使い方問題もありますし、福島の原発事故後、科学者など専門家が信頼されなくなっていました。SNS時代にあって、専門家の知識をどう主権者は活かすのか、原発事故に続いて新型コロナでも起きました。人々は誰の話を聞いて行動したらいいのか分からなくなってしまった。新型コロナ騒動から5年だちましたが、それらはまだ決着してない。

鈴木:そうですね、まだ決着してませんね。
佐藤:警鐘を鳴らす役割のジャーナリストも崩壊したかのように見えますし、YouTubeでの討議も数が爆発的に増えました。何を信じて行動したらいいのか人々は迷走常態にあります。鈴木先生は科学者として非常事態が起きたときに市民にどう伝えるのか、課題として残っているのではないでしょうか。

鈴木:そうなんです。あの時、実は長崎大学は長崎港に着いていたクルーズ船でもコロナが発生してしまって。
佐藤:そうでしたか、横浜港での感染はニュースになりましたが、長崎でも同じことが起きていたんですね!
鈴木:そうなんです、で、それをどうやって止めていたか、という話が本になっているんです。長崎でしか出てないかも知れませんが。『死者ゼロの真相長崎クルーズ船新型コロナ災害との激闘』(刊行:長崎新聞社)で長崎大学の先生が頑張ったんですよ。
横浜の船の新型コロナの汚染をどうやってとめたか、映画になりました。『フロントライン』まだ上映してない、6月ぐらいに公開だと思います。予告編見ただけなんで映画の内容は詳しくはわかってないです。私が懸念しているのはヒーロー物語になってるのではないか・・ということです。

佐藤:ヒーロー仕立てにしないと客の入りが少ないですからね。
鈴木:あのような映画はヒーロー物語にしてはいけないんですよ。『 Fukushima 50』はご覧になりましたか。
佐藤:渡辺謙が主役の映画でしたよね、あほらしいから見なかったです。

佐藤:エライ、さすが。
 ともに大笑いしている
佐藤:東京電力の人々が大活躍したって話ですよね、嘘ですよ、自衛隊も、東京都消防士も下請けの人たちもいた。

鈴木:東京電力の人々が活躍したという話で観なくてよかったです。福島の人が観たら怒ると思います。前半はいいですよ、大変な事故が起きて苦労しているところが一杯でてくるんです。途中から渡辺謙を中心にした現場の人たちをエライ持ち上げて、彼らが全部解決したみたいな話になって。
佐藤:渡辺謙が吉田所長を演じたんですか。
鈴木:そう、渡辺謙が所長を演じてた。でも百歩譲って事故の顛末については、それなりにインタビューに基づいているからいいんだけど、問題は事故が全部終わって解決しちゃったみたいな話で終わるんですよ。

佐藤:現在も主な点は何も解決してないのに、誘導、印象操作、映画やりますね(笑)。
鈴木:更に悪いことに富岡町の桜並木が出るんです。そこをヒーローが歩いていって、「よかった桜がまた観れた」、と言って。もっと酷いのは最後にオリンピックのランナーがそこを歩くんですよ。
佐藤:あちゃ〜。東京オリンピックの聖火が観光バスで押し寄せてきましたね。

鈴木:復興のシンボルみたいにして、めでたしめでたしで終わるんです。

佐藤:オリンピックを支えている文科省や経産省のお金などが広告会社経由で映画製作費、たくさんお金が出ているでしょうね。
鈴木:『THE DAYS』というネットフリックスでやっている福島事故のTVドラマがあるんです。5回に分けて放映するんです。原作は同じなんです。こちらは役所広司が吉田所長を演ずる。渡辺謙も演技は上手いんですけど、この映画は全然問題解決してない、ということで終わるんです。なんで原発が止まったのかもよくわからんよね、という話で終わる。


非常事態発生の科学者

佐藤:原子炉燃料も解け落ちたまま、いまでも事故当時のままです、事故は止まってない。
鈴木:『THE DAYS』の方が現実に近いので、私は学生に薦めています。
で、先ほどの科学的知見の話に戻ると、クライシスになったときには、まずデーターがたくさん有るわけではないので、よく分からない。そうすると普通のエンジニアのメンタリティーから言うと、「たぶん上手くいくだろう、」という思考が働く。楽観的と言っては可哀そうなんだけど、「たぶん上手くいくはずだ」、と。「自分が作ったんだから」、というバイアスが掛かってしまうので、彼らに任せちゃうと、「え!」、というような驚く事ばかり起きる。その連続だったです。特に電力会社のひとたちは、自分だちが見てきたプラントのことなんで、そういう傾向なんです。

でも近藤委員長は偉かったですよ。あの人は本当にすごいなと思いました。「俺が安全審査した原子炉だ」っておっしゃったんです。「だから隅々まで俺は知っている」とおっしゃった。「こんなことが起きるはずではない」と言って・・。

佐藤:でも目の前で起きている。
鈴木:「ヒューマンエラーに違いない」、と。でも彼はありとあらゆる可能性を最初から考えておられて、直ぐ炉心溶融のこともおっしゃってました。使用済み燃料プールのことも心配していました。水素爆発は直ぐ起きるんじゃないか、と心配してました。悪い予測はほぼ当たってました。
近藤先生がエライなと思ったのは、自分の思い入れはもちろんあるんだけど、冷静・客観的に何が悪い方向かも見て、次の手段をちゃんとやられた。ああいう人が原子力安全委員会にいればよかった。たまたま原子力委員会に委員長としていたからまだよかったんですよ。近藤委員長がいなかったら大変だったと思います。
科学顧問の事を書いたんですけど、あれはまさに近藤委員長が科学顧問として働いた。経産省や安全員会のスタックはみんな役にたたなかった規制当局の安全安保安院などもぜんぜん役に立たない。文科系だし「自分たちは関係ない」と逃げちゃってたんです。近藤先生がほとんど把握していた。

科学アドバイザーの時に、私がこの論考で引用したのは、イギリスの制度なんです。イギリスの緊急時科学顧問会議というのがあります。SAGE(セージ、Scientific Advisory Group for Emergencies サイエンティフィック・アドバイザリー・グループ・フォー・エマージェンシー)という。
イギリスはえらいんです。狂牛病の事件がありましたね。あの時に科学者がいい加減な事を言って「人間の頭にうつることはない」と。「食べても大丈夫」と言っちゃったんです。それでイギリスでは科学の信頼が失われた、ということで政府が検討して作ったのが「SAGE」です。イギリスにはサイエンス・アドバイザーはいるんです。いるけど、サイエンス・アドバイザーが凄いんです、科学アドバイザーになるための試験があるんです。

佐藤:人格試験?胆力があって科学的判断もできて・・などですか。

鈴木:中身は知らないんだけど、でも政策決定に対する理解だとか、科学的知見も備えていることも、どれだけ幅広い人脈を持っているか。自分の専門分野は狭いので幅広い視野と人脈を持っていなければいけない。そういう試験する、通った人が委員になる。

佐藤:映画『アポロ13』を観ると、飛行士とNASAと世界の科学者が連携協力し危機を脱し、宇宙飛行士が地球帰還を果たした、という映画でした。あのように世界中の科学者が連携する仕組みで危機を脱出できる仕組みがあるといいですよね。

鈴木:そうですね、(福島の原発事故に遭っても)世界の科学的知見を入れなきゃいけない。SAGEというのは事件によってサイエンス・アドバイザーが人を集めるんです。例えば原子力事故だったら、この人とこの人・・・というように連絡して集める。そういう事ができる人でないとだめなんです。専門馬鹿ではダメなんです。

佐藤:災害に遭うと被災者は安直に役立つことを手に入れようとして、専門馬鹿に頼る傾向にありましたからね・・。
鈴木:笑)
佐藤:専門家も被災者に応じようとし、自分たちの専門知識が正しいと考えがちでした。その他の科学者との連携を広くもてる専門家(アドバイザー)は少ないように思いました。使い勝手のいい専門家を頼って手っ取り早く対応してしまいがちでした、福島の事故の場合も。
班目さんも集中砲火を浴びてました。原子力安全委員長の信頼は落ちてましたし、福島県生まれの田中俊一さんも批判されてました。山下俊一さんも同様でした。

福島の原発事故の場合は放射線量の計測値を発表しないし、炉心溶融のことも伏せてました。事故直後からSNSで数値が流れてましたし、米軍機が採取した汚染図も流れていたので、政府の発表は遅れ気味でした。浪江町民の場合は最も放射線量の高い津島地区に避難してしまってた。そのことは後で分かり、政府と東電の信頼は地に落ちてしまいました。以後、専門家が何を言おうと被災者は聞く耳をもたず、民間信仰的な噂話に翻弄されました。初動の発言と事故予測にもとづく避難準備訓練が肝心でしたが、なかった。

東電テレビ会議が映画になりましたので、観ました。福島県(佐藤雄平知事)は混乱が起きるからと、東電に要請して汚染数値の発表を控えるようにと、語ってたのを観ました。本当にパニックが起きるんでしょうか、数値発表するとそうなるのか、わかりませんでしたね。直後から、独立系の記者たちが、双葉に入り汚染状況を詳しく測定し緊急放送したので、その番組の要点をまとめて、要注意しましょうとwebで公開したらクレームが来ました。「煽るな」、という事で反響はありました。煽ってなく警鐘を鳴らして注意喚起を促しているんだ、と応じました。

鈴木:よく言われるんですよね。
佐藤:クレームを言う人は名前を明かさないことが多いとわかりました。警鐘を鳴らすことと、根拠のない煽りは異なるのですが・・どうしても事故発生直後は情報が混乱、錯綜するので、意見の対立による問題はおきてしまいました。


鈴木:私が得た教訓は楽観的でないほうが、だいたいは正しいので、悪い方に考えておいて、対応するのは悪くないですよ。

佐藤:放射能が降る中での屋内待機指示は間違ってなかったと思います。わけわからなくって逃げ出して交通渋滞とガソリン不足が起きた。福島ナンバーの車はばい菌扱いされたなど、放射能被曝・差別が起きました。逃げ出す時期は間違っていたと、それを早く判断し過ぎましたね。津島地区でさえひとは被ばく線量には耐えらて、生きつづけている。被曝量は少ない方がいいんですけど、慌てて逃げて道中大混乱し差別されるよりは、屋内退避で被ばく量を抑えるほうが賢明だったと思います。
日本列島で再びあのような原発事故が起きたら、同じように避難パニックが起きて道路が渋滞し、意味もなく被曝するんでしょうね。当時は原子炉停止の意味も分かりませんでしたし、水素爆発と原子炉の爆発の区別もできていませんでした。驚いて逃げて大渋滞を経て、あの混乱は政府と行政不信が起きた主な原因だったと思います。県職員にも311当日の様子を聞き取りしたんですけど、福島県職員でさえも「福島は終わった」と語り合ってたそうです。

鈴木:水素爆発を原子炉爆発したと皆さん思っちゃいましたからね。
佐藤:原子炉は停止し、冷やす段階で冷却水がなくなり、水蒸気が発生して、引火し上屋がなどが吹き飛んだ。そのことを原子炉爆破したと思ってしまいましたから。安全神話がありましたから。2号炉が割れ放射能を閉じ込めることができず、降雪によって福島県内は汚染されました。事故が起きたあとの経過の教育と普及がなされていなかったのが大混乱のもとでした。安全神話は誰が作ったのか、その問題も解明されていませんので、同じ悲劇と混乱が起きるかもしれません。

2020年代語りと違う話になってしまいました。原発事故は2010年代語りで済んでました。
鈴木:戻っちゃったね。


信頼される廃止措置機関の設置

佐藤:原発事故に遇って、新型コロナパンデミックに活かせたか、鈴木先生が書かれたのは長崎新聞だけでしたか。
鈴木:この記事はね、共同通信に頼まれて書いたんです。配信されていると思います。

佐藤:科学技術をめぐる政策、専門家、市民社会の信頼関係の再構築に向けて、これは鈴木先生が一貫して語られていてきたことです。が、これを成すのは本当に難しい。SNSで炎上したり、叩きあったりすることでビューを稼いで資金を得る世になりましたので、政治家も炎上させて得票数を得て議員になってます。困った状況が進んでます。
2021年に移りますと信頼される廃止措置機関の設置をとあります。これも鈴木先生が一貫して語られていることです。英国にある、「原子力廃止措置機関」((Nuclear Decommissioning Authority:NDA) 、 民間企業の技術力・活力を利用しつつ、国が責任を負うという内容ですね。この内容は令和3年4月27日、原子力問題調査特別委員会のアドバイザリーボードにおいて発言されています。内容は公開されています。このアドバイザリーボード会員で何度出席されているんですか。衆議院TVなどで動画を観ますと議員たちは先生の意見をさほど聞かず、自説を語ることが多いように思いました。会員は議員に質問できない会議形式ですよね。

鈴木:この頃は海洋放出の話が出てるんです。

佐藤:NHKによる5月19日のニュースですと1日平均70トンに、ピーク時の1/7程度に減少していると放送されました。当初は500トンほど出ていたけど減った、原因は雨の量が減ったとか建屋に流れ込む地下水が減ったとか。地下水量は激変するものでしょうか(笑)


鈴木:廃止措置機関をつくれというのは何日でしたか。
佐藤:2021,令和3年4月2日にです。文字記録と動画は公開されています。

廃止措置と廃炉について(廃炉法がない)

鈴木:ついこの間も国会で話ましたので、記録が出てくると思います。
佐藤:最近ですか。
鈴木:2025年5月15日です。衆議院の原子力問題調査特別委員会です。
佐藤:4年ぶりですか。
鈴木:だいたい毎年喋ってます。今回は今年の話ですから後でもいんですけど。今回は放射性廃棄物の処分の法律を改正しろ、と福島第一原発の廃炉法を作れというのを提案しました。

佐藤:廃炉法とはどのような内容ですか。
鈴木:廃炉完了と言っているけど、廃炉を完了する定義はどこにも書いてないです。
佐藤:いろんな広報パンフレットを頂戴しましたけど、元の大地に戻すのが廃炉と表現されています。「廃炉」という定義が法律に書いていない?何も書いてないんですか。

鈴木:
通常の原子炉の廃止措置については最終的には更地にする、と書いてあるんです。だけど更地にしなくっても現場の放射性廃棄物が全部なくなれば、その時点で一応廃炉完了なんです。放射性廃棄物がこの場からなくなれば基本的には更地にできるということで、それで廃炉完了なんです。福島の場合には何もその定義が、どこにも書いてない。デブリをどこに持っていくのかも何も書いてない。一応参考として、国会で喋ったときの資料です。

福島の廃炉 廃止措置の完了やデブリの廃棄物処分について明確に法律に定義する。ロードマップも法律にない

佐藤:ざっとした楽観で語ってて、廃止措置は遅れっぱなしですからね。
鈴木:40年で廃炉を完成させるという現在のロードマップに代わって、根拠もなく信頼性も疑われている。完了の定義もはっきしていない。
佐藤:鈴木先生の発言に立ち会っている政治家たちは耳塞いでいるのでは(笑

鈴木:参考にチェルノブイリ原発事故後の法律を書いておいたんです。チェルノブイリ廃炉法は事故から12年経ってできているんです。13条の構成になっていて、財政確保や労働者の保護は国の責任だと書いてある。シェルターを作るんですけど、シェルターとは何だというときに、シェルターはデブリを取り出すための遮蔽だと書いてあるんです。従ってデブリを取り出した後のことは何も書いてない。だけどシェルターでお仕舞とは書いてない。

次に2009年(10年後)、もう一度国家廃炉プログラム法を作って、100年掛かりますと。40年では終わらないということです。で、デブリは高レベル廃棄物だ・・・と。石棺解体、取り出し、貯蔵、処分、という段階を全部定義しているんです。これが福島の廃炉措置にはないです。
私は何度も言っているんです「国会の役割は国会は行政府を監視するのが大きな役割であって、しかも法律を自分で作ることができるから、この二つをやりなさい」と。解決が必要な課題に超党派で取り組んでください、と。いろはを言わなきゃいけない。
一人10分喋って、今回は5人かな、そのあと2時間質疑の時間があるので、一人20分ずつぐらいの時間はあるんです。質問もあるんです。議員の方々は自分の言いたいことは言う。
佐藤:鈴木先生の提案は聞かず、政治家が自説を述べがちですね(笑、 国民の代表の語りを笑っては罰せられちゃいますね。内容は文字と動画になるでしょうから、待ちます。


ずっと、アドバイザリーボード会員

鈴木:アドバイザリーボード会員というのは特別委員会が指名するんです。ずっと私はメンバーなんです。
佐藤:全党一致で承認された参考人しか呼ばれない、語れないんですよね。

鈴木
:面白い質問です。いままで黒川清さんが座長だったんです。黒川さんは勇退されたので、今回は新しいメンバーを選ばなければならなかった。黒川座長の代わりに、元原子力委員長の近藤駿介先生がメンバーにはいられた。与党の筆頭理事が細野議員だったので、近藤・鈴木・細野がそろって、原子力委員会の時代にもどったような感じでした。

佐藤:福島の原発事故当時の仲間参集ですね。
鈴木:笑)もう一人どうしようか・・・となって、ちょっと若いけど原子力市民委員会という脱原発の市民運動やっている、その座長が大島堅一さんを推薦したらOKがでました。今は簡単に喋ったプロセスですけれど、3ヶ月ぐらい掛かってます。

メッセージにリンクをはりました。それは委員の一人の石橋さんが今までの記録をアップしてくれているんです。過去のデータが全部入っているんです。このかたは個人なんですけど、黒川先生の国会事故調の事務局を担当されたかたです。「やさしい国会事故調」というwebサイトはよくできているんです。

佐藤:分厚い、国会事故調も観たりしましたけれど聞き取り全ては記録公開にはなってないですよね。
鈴木:もともと私的、非公開でインタビューしている人が多いんです。あと二人います、橘川先生と藤垣裕子さんという東大の先生、全部で6人です。


 めざす、法改正

佐藤:提言まとめても東京電力は聞く耳もっているんですかね。
鈴木:アドバイザリーボード会員がまとまって意見を出すことはできないんです。一人一人が喋るだけです。アドバイザリーボードって、聞かれた質問に応えるしかできないんです。こちらからこうしなさい、とは言えないんです。

佐藤:
東電への指示は政治家がするんだと。上手い仕組みつくってますね、聞いたけど実施しないことはいくらでもできるんですね。
鈴木:アドバイザリーボードからこういう問題を扱ってください、という提案はできなくなっているんです。そこで黒川先生はそれでは意味が無いから、と言って当初、理事の先生がたと議員さんがた、我々の非公式の会合をセットアップしたんです。「そこでザックバランに話をしましょう」、ということでして、記録は執らなきゃいけないが、国会の記録としては残らないんです。

当初はそれでやっていたんだけど、委員長が代わり黒川先生も、「言うこと聞いてないから・・」ということになって、ここ数年は開いてなかったんです。今回、「新しいメンバーになったので、もう一度始めましょう」、となりました。公式の外でやる、表でやる会合の前に一度非公式会合をやっているんです。その時に我々としては何を希望するか・・と伝えてはあるんです。全員一致しているのは、せっかく特別調査委員会というのがあって、アドバイザリーボードがあるんだから、何か成果をださなきゃいけない。調査委員会としてインパクトがなければいけない。一番わかりやすいのが法律改正

佐藤:お〜!法改正は強烈ですね。
鈴木:そう。2番目は調査委員会として政府に提言をして。国会の調査委員会の提言は重たい、と思うので、政治家が一人で言ってよりは聞く。超党派で意見をだす、それをやらないとだめだ、とも言ってます。
3番目は調査委員会が報告書を毎年書く。これは石橋さんがずっと言っているんです。調査委員会で何をやったか、ただ意見を聞きましただけではなくって、今年はこれやりましたという報告書。調査委員会として自分たちの言いたいことを言っているだけではなくって、調査委員会として成果を毎年だす。
それらに関してアドバイザリーボードが、こうしたほうがいいですよ、ということはできるかもしれない。その三つぐらいをだしました。私はなまっちょろいこと言わないで法律改正だと(笑)一番わかりやすい(笑)
だって報告書書いたり、とか提言したから、と言って何か変わるわけでもなんでもないよ。法律改正したらその時点で変わるわけです。国会なんだから法律をつくることでしょう、と。国会はシンクタンクじゃないんだから。

佐藤:気合入ってますね!法律作るために国会議員になっているんだから法律作れと(笑)
鈴木法律を自分で書かないで、行政府に書かせているからこうなっちゃう。
佐藤:電事連や東電から資金いただくから、法律作りたくなくなるんでしょう(笑
鈴木:もらってますか?
佐藤:電力会社もそうとう政治資金提供してるでしょう。

鈴木:だから私は嫌われるんだな・・(笑)
佐藤:相変わらず青臭いことを言っているな、と言われているでしょう。鈴木先生はそこがいいんですよ。福島原発の廃炉法などの成立・・・楽しみです、期待しております。
鈴木:そうですね高レベル放射性廃棄物の処分については、こことここを改正したらいいですよ、とはっきり言ってます。


トランプ2.0の影響

佐藤:元総理大臣が射殺され、その影響から問題はおきませんでしたか。
鈴木:直接関係してないから分かりません。原子力委員会も関係ないですね。

佐藤:トランプ2・0荒波きましたが、影響なかったですか。
鈴木:トランプ2.0で国際秩序壊しちゃってますから。

佐藤:イギリスでは「プルトニュムのリサイクルはやらない」とニュースになっていました。日本はその影響はないんですか。
鈴木:政府は直接は影響ない、といってます。毎日新聞にこないだでました。
佐藤:イギリスに預けているプルトニュームはどうなっちゃうんですか、処分してくれるんですか。

鈴木:いい質問です。イギリスは引き受けてもいいと言っているんです。処分してもいいと。
佐藤:処理費用は掛かりますね。
鈴木:プルサーマルで使うにもお金はかかりますので。イギリスとの関係は電力会社が契約しているので、電力会社が話をしなければいけないんです。電力会社の契約ではイギリスから持って帰ってくる、契約になっているんです。それを変えるとなると面倒くさいことは面倒です。

佐藤:民間電力会社に政府は介入できないことになっているんですか。
鈴木:介入できないことはないです。核燃料サイクルって国の管理事業なので。電力会社が持って帰ってくるのが大変だから、イギリスで処分してください、と契約変更したら、その時点で日本とイギリスの政府が話合うことになる、と思います。
要は、日本ではプルトニュームが資源と言われているので、イギリスでは捨てるわけですから、ゴミなんですね。それが合わないということです。

毎日新聞の記事・・・データおくります。


■核燃サイクルの問題

佐藤
:来ました、中身が濃いデータですね。 誰が作ったんでしょうか。
鈴木:毎日新聞の大島さんというかたがプルトニュウム問題をおっかけていて、何回も取材を受けているんです。
佐藤:電力会社の資産問題も上手にすれば彼らの会社に大赤字計上しないでプルトニュウムを処分できる、そういう話はお聞きしました。計画的に資産をゴミとして処分していく、形ですね。
鈴木:たいした量ではないので大丈夫だと思います。細かい計算は電力会社に聞かないと分からないです。普通に計算したらMOXに加工して燃やすよりも、イギリスから運んでくる費用もありますので。
佐藤:再度、軍艦で護衛して運ぶんですか。
鈴木:軍艦の護衛はしないです。考えていたのは2隻で互いに監視するような仕組みになっていて、どっちにプルトニュウム積んでいるのか分からないようにして2隻でやってくる。イギリス国籍の船にしておけばイギリスの警察が乗っかるので大丈夫だ、という発想です。

佐藤:プルトニュウム問題も方向が定まってきているように感じます。
鈴木:世界的にはゴミ処分、そうですよね。
佐藤:先生が40年前から語っていることが、やっと世界の常識になってきてます。
鈴木:(大笑)
佐藤:ロシアや北朝鮮は地層処分するような方向なんですか。

鈴木:ロシア、中国、フランスは日本と同じようにプルトニュウムは燃料にします、と言ってます。インドもそうなんです、軍事用のプルトニュウムと民生用プルトニュウムを区別してないので、軍事用に使っていると思います。
佐藤:インドとパキスタンで戦争始めたニュースが流れました。
鈴木:危ないですね。インドとパキスタンの核兵器は小型の中距離ミサイルで普通のミサイルとかわらないんです。両国は距離が近いですからね。先っぽに核弾頭が付いているか、通常弾頭は分からないものが多いです。爆撃機でくると分かるかも知れません、ミサイルだとあっというまに来てしまいますので怖いです。間違えたら困るし。


トランプ帝国

佐藤:トランプ2.0は帝国主義と権威主義に戻ったようなもので、今後、世界情勢がどう進展してくのか分からなくなってます。
鈴木:トランプは帝国主義に戻してますよね。明らかに王様のような行動をしているので。
佐藤:1989年、冷戦崩壊し、みな安心しちゃいました。35年経った今は米中露の帝国主義の対立にもどった。
鈴木:グリーンランドほしいとか、めちゃめちゃな事を言ってます。
佐藤:中国と米国の関税問題をみると、最初だけやったふりし元に戻している感じに見えます。言ってるだけなのか実施して大騒ぎになるのか、どっちなんでしょうか、朝令暮改のトランプ大統領は分かりにくいです。

鈴木:こないだアメリカに行って、現地の人と話したんです。楽観的なシナリオとしてはあまりにも酷いから、さすがに共和党の議員さんたちの中に「これはまずい」という人が出てくるかもしれない。それと間違いなく支持率はおっこちてます。コアの人が変わってないんですけどね。中間選挙がまともに行われればたぶん共和党は負けるだろう。関税は議会が決めるものですからね。大統領が決めちゃいけないんですよ。
佐藤:民主主義の国がそれを放棄した決め方ですね。
鈴木:民主主義は関係ない。議会が民主党が多数派になれば大統領令を止める法律を通すことができます。

佐藤:穏やかに変化してほしいですね。
鈴木:これが一番穏やか、選挙で変わるんですから。もっとも悲観的なシナリオは戒厳令みたいなものを大統領が導入してしまって、中間選挙もやらない。

佐藤:それだと韓国の政治混乱とおなじ状況になりますね。
鈴木:韓国の状況ですね。そこで憲法を改正してしまって大統領の任期を延期してしまう。このシナリオも、今、アメリカの国民の間で怖がられています。だから移住したい、という人が一杯出てきてます。移住先で一番人気はカナダです。ヨーロッパの国々ももちろん、英語圏ならば行きたいと。そうするとオーストラリアとかニュージーランドとかが候補。
日本にも来たいという人がいるんですけど、日本は移民をなかなか認めないですから、難しい。

佐藤:日本では中国の超・富裕層が文京区内のマンションを買い、子供に日本の自由な教育を受けさせている・・・と話題になっています。
鈴木:私は悪くないと思ってます。中国人が買収してくれれば戦争にならないんじゃないか、と思います。
佐藤:中国人は、自国内での人種差別問題はわかりませんけど、外国に遠征してまで乱暴なことはしないように感じますが。日本で海峡での戦争をはやすのは国内の政治家とマスコミで・・・戦前に戻っているのか、それが分からない世相になってきました。

鈴木:いまやっていることは恐ろしいですよ。
佐藤:年老いたらノンビリ過ごしたいと想ってましたが、そうはいきそうにもありませんね。
鈴木:ノンビリしている場合じゃないです。


2025広島パグウォッシュ会議開催

佐藤:鈴木先生は昨年暮れから今年前半は世界を飛び回ってましたね。
鈴木:忙しいんですよ。
佐藤:大学辞めてノンビリ暮らすのかと、想ってましたが・・・。
鈴木:出張が多くって、再来月(2025年7月)も世界一周しなければいけないんですよ。会議ですね。
佐藤:広島のパグウォッシュ会議の準備も始まる時期じゃないでしょうか。

鈴木:そうそう、11月広島でパグウォッシュ会議やらなければいけないです。
佐藤:原爆の8月6日にあわせるのか、と想ってました。11月ならまだ準備には余裕ありそうですね。
鈴木:お金が無いので金集めしなければいけないんです。 もう一つはプルトニュウム迷走問題。イタリアはイギリスに処分依頼。記事の一番最後に私はコメントしているのかな。最後にプルトニュウムの価値について元原子力委員長代理の鈴木は・・・毎日新聞の記事です。送ります。
佐藤:イタリアはイギリスにプルトニュウム処分依頼・・・の記事、URL届きました。
鈴木:そこにコメントしてます。

佐藤:長い記事ですね、先生のコメント読めます。長崎大学を辞して、忙しいですね。
鈴木:それから毎日新聞で「人欄」があるんです。そこに私が出ちゃいました。
佐藤:お〜!人欄は目立つコラムですので多くの人が見ているのでしょう。問い合わせありそうですね。このデータも届きました。この写真はどこで撮影したんですか。

鈴木:これは古い写真なんです。共同通信が流してくれたので、他の新聞にも載ってるかもしれないです。


人欄に載る。2025年広島パグウォッシュ会議

佐藤:人欄はパグウォッシュ会議の件ですね。
鈴木:パグウォッシュ会議で日本人初めての役員になったという内容です。長崎新聞がデカデカと扱ってくれたんです。私が大学を辞めるということで3回の連載記事にしてくれたんです。その話をしているうちに、今までやってきたことと、今後どうしたらいいのかという話になり、、「パグウォッシュ会議をやるんだ」という話をして。役員になったんだ、と話をしたら「日本人で初めてですか」、と聞くから「初めてかもしんない」と言ったら記事にしましよう!と。一面に掲載してくれた。その記事を見て共同通信がインタビューしに来ました。

佐藤:地元の新聞が大きく流すと、東京紙や共同通信が食いついてくる、と。
鈴木:1面の記事のweb版です、送ります。これを見て共同通信が取材に来てくれた。パグウォッシュ会議の内容は長い話なので機会をつくって話したほうがいいかもしれないですね。
佐藤:そうですね、それがいい。11月後に機会を作って発信できればいいですね。パグウォッシュ会議は日本で何度目ですか。
鈴木:2015年長崎開催が初めてです。その時に私が委員長をやりました。広島では3回目です。1995年から10年ごとに開催しているんです。95、2005,2015、2025今年で4回目です。

佐藤:こつこつ開催していて、今年で4度目。


チェルノブイリ廃炉の話

鈴木:チェルノブイリの廃炉には日本もお金を払っているんですよ。チェルノブイリはウクライナが当時お金がない状況だったので、最初は旧ソ連でした。ソ連もお金が無かったので、欧州復興開発銀行がありまして、EUが中心になって運営している銀行です。日本でいう開発投資銀行のような機関です。ヨーロッパの復興のためにつくって公益事業に融資する銀行があるんです。そこがウクライナに支援をすることに決めて、お金は欧州復興銀行が全部調達します、と。そのかわり廃止措置のプランも欧州復興銀行のセットアップしたテクニカルチームがやります、と。それが先ほどのシェルターまで造ったんです。

佐藤:欧州はお金もだすけど工事も請け負って実物も造ると。
鈴木:その時、欧州復興銀行がお金を集めたときに、ヨーロッパのの国々はもちろんだけど、日本もお金を払ったんです。
佐藤:ウクライナ支援をしているとウクライナの政治家が中抜きする、という話があります。本当でしょうか直接欧州のテクニカルチームが請ける形にしているんですか。
鈴木:知らないです。いずれにしてもお金がすごい掛かるわけです。ですから日本での廃炉でも「世界の原子力のために貢献するのでお金払ってね」、と訴えて世界からお金を集めても恥ずかしくないので、集めればいいんじゃないですか、と。スリーマイルの事故の時に日本はお金を支払っているんです。

佐藤:お金もだすけど廃炉工事の監視も欧州がするんだから、よい方法だと思います。単にお金をだしてウクライナに任せ放しだと問題ですね。

鈴木:私の提案はお金は基金で集めればいい。TMIもそうでしたがお金あつめて、資金にしてやるのはアメリカがおこなう。私は原子力発電所の廃止措置は国際機関を作ったほうがいい、という考え方です。お金集めたら出した人たちが専門家を集めて世界の叡智を集める国際機関を作って、そこが廃止措置をやればいい。そのモデルがイギリスの廃炉措置で提案しました。
佐藤:福島の事故後の廃炉措置は東電が行っているので、真の原因が分かっても東電は公表せず、うやむやにする可能性があると思ってました。福島の場合も国際機関が廃止措置全体を監視することには賛成です。

鈴木:でないと、今回の原発事故原因がうやむやになってしまいます。
佐藤:地震によって起きた津波によって電源喪失はわかったけど、真の原子炉の事故原因は分かってないですから、同意いたします。
鈴木:分かってないですね。
佐藤:真の原因は専門家が解体しながら、観察しつづけて解明するしか方法がないので、原子炉の中心など解体に手付かずの今は、それらは分からない、はず。

鈴木:そうです、その上どうして原子炉が止まったのかも分かってない。NHKが今は一生懸命解明しています。NHKの取材班はあっぱれ賞、あげたいです。
佐藤:廃止措置が済むまでNHKに政治圧が掛からないで、取材は継続して放送し続けるといいですね。書籍にもするでしょうし。元・安倍首相のようにあからさまにNHKに圧を掛ける政治家がいなくなった今は、事故直後よりNHK取材班は仕事がやりやすくなったかもしれないですね。

鈴木:すこしやりやすくなったでしょうね。会長が代わったのも大きいですよね。
佐藤:自民党は組織を作ってTV番組を監視しつつ圧力かけ続けて20年ちょいでしたから。番組制作現場の環境がすこしはよくなるといいですね。2020年代前は放送局に圧力かける政治家が横行しました、NKHも酷い時期が続きました。よくなってほしいです。花田先生も怒りを通りこして、早稲田に移りジャーナリズム教育し敗北宣言してしまいました。

鈴木:11日花田先生と写真撮ってましたね。

佐藤:花田先生は『自由への逃走』を出版し小説家になりました(笑)。ので祝いに参じました・・・小説のことを語り合っている・・・・。
 

へこたれないから困難を乗り越える人へ

鈴木:いろんな映画を観るじゃないですか、映画でえがかれるような立派な人はへこたれないだけじゃなくって、乗り越えますよね。偉いですよ。
私なんかはへこたれないかもしれないけど、諦めてはいないんだけど、命かけてまでやるというガッツはないです。
佐藤:エネルギー問題、原発問題は複雑すぎるので命かけてやらなくっていいでしょう。命がいくつあっても足りないので連帯して当たるのがいいように思います。

鈴木:だけど、私が原子力委員会にいたとき、再処理を止める絶好のチャンスだったんです。そこまで行ったんですよ。今、悔いが残るのは、あのとき死に物狂いで回っていれば、ひょっとしたら止められた。青森県が反対したからダメかと諦めちゃったからな・・・。
佐藤:大島さん衆議院議長のおひざ元です、「むつ小河原開発計画」の一環でしょうから、土建屋に政治家に関係関連業界連携してますので・・・。核燃料サイクル動かして青森の寒村を再興させるという古い自民党の18番手法で進んでました。そばに三沢基地ありますし。
鈴木:本当に全力を尽くしたかと聞かれるとね・・。
佐藤:難しい話ですね・・・。
鈴木:もうちょっと頑張れば、要するに叫びもしなかったし・・・。当時5人、原子力委員会にいたんですけど、4人が投げてしまったんです、私は一人でも頑張ればよかったかなーと思ったんです。声を大にしてね。でもダメだったかも知れない。今またチャンスが来ているので・。・
佐藤:イギリスが核燃サイクルやめたのは好機・・。
鈴木:頑張ります!
佐藤:止めるチャンス来てます。
鈴木:長崎大学辞めてね・・。
佐藤:ピース・デポの代表でもあり、国会のアドバイザリーボード会員で意見を述べる機会も与えられていますし、法律つくる機会は回ってくるかも。

鈴木:今、希望はちょっとありますね。高レベル放射性廃棄物処分の超党派の推進議員連盟があるんです。そこに呼ばれて去年話したんです。その時の感触は悪くなかったです。議員さんの多くは「なんで使用済み燃料はゴミじゃないの・・」と今頃言っている(笑)

佐藤:(笑)風向き変わってきましたね。鈴木先生はモックス燃料つくるの無駄だと40年語っているのに、(笑)
鈴木:今は「なんで捨てられないんだ、こんなのすぐ処理すればいいじゃないか」と。
佐藤:代議士も4年ごとに選挙ですし何十年も続かない。それで状況が変わったのは立法のチャンスかもですね。
鈴木:でも世話人の人はベテラン議員です。議員さんなのに法律読んでないのかな・・。
佐藤:読んでない可能性大ですね。4年ごとに選挙ありますし、秘書任せかな。

鈴木高レベル放射性廃棄物の定義は再処理したあとの物しか入ってません、というと「へーえ!」とか言ってました。アドバイザリーボード会員、今までは任期がなかったんですけど、これからは任期2年です。毎年アポイントメントされていたんです。ずっと続いてきたんだけど基本的に任期は2年にしましょう、と。委員長はありえると思います。
なんとか再処理を止めたいです。高レベル放射性廃棄物の処分を止めるのは悪くないかもしれないです。
福島の廃止措置の法律もあった方がいいでしょう。

佐藤:あった方がいいです。東電と経産省が放だいやってしまってますので・・東電に主導権があって、福島県原子力発電所の廃炉に関する安全監視協議会も処理水放流しちゃったら規模がちいさくなってしまいました。報道機関から出るニュースは安全を広報する内容になってしまいました。汚染水1/7減ったか、と安全だと誘導気味に聞こえてます。
鈴木:汚染水発生ゼロになったら流すニュースですよね。

佐藤:注意喚起せずに、安心だと誘導するニュースは報道じゃないですよね。
鈴木:デブリの取り出しも同様で、二回目は0.2g取り出しただけです。デブリの組成を調べているんですね。どこにあったのかも凄い大事です。最初の0.7gの中には放射性物質は入っていたので、間違いなくデブリだと言ってました。

これは見えますか。

■雑誌 『日本の科学者』

佐藤:見えます。
鈴木:今度でた『日本の科学者』6月号です。特集は原発のない社会づくりの検証と展望という特集なんです。山田耕作さんが書いている「原発の危険性は放射線被ばくにある─福島原発事故による健康被害の真相」それから柴ア直明さんが「福島第一原発の汚染水問題と海洋放出の実態─2024年までの放出状況を踏まえて」、を書いてます。今は廃炉安全監視協議会とあります。

面白いのは5号機の止水口の海水のセシウム137の濃度グラフを東電が発表しているんだけど、なんと縦軸を変えてしまった。グラフに山がたくさんあるですが、大きく表示される縦軸にしてしまうと分かりやすくなってしまうので(笑)酷い話です。

IA用データセンターができれば電力需要が増える、というグラフがあります。2012年ぐらいから電力需要は下がっています。2020年までさがっている。今後、データセンターができると上昇します、というグラフなんです。V字型になっていくと。縦軸をよく観ると、ちいさいところで観ている。ゼロからやるとわずか1〜2%の伸びなんです。

佐藤:日本では人も減るし、そうするとほどんどAI用データセンターによっても電力需要はのびないにもかかわらずV字回復に見えるグラフを作る。そういう裏技をつかって、グーンと伸びるように見せているんですね。
鈴木:そういうことをやります。私はコンサルティング会社で勉強して・・・どうやって相手にインパクトを与えるのか・・「縦軸変えろよお前」と言われた(笑)。
佐藤:説得するには印象操作手法は重要ですから(笑)図表はそこを注意したほうがいいんですね。

鈴木:報告書の内容が目立つようにしますから。
佐藤:この話は消そう(笑)。
鈴木:大笑いしている。


原発依存度をさげよう

佐藤
:あとは、原子力政策のありかた、というのもありますけど。
鈴木:日経新聞に出たのはみせましたっけ。
佐藤:いつの日経ですか。
鈴木:今年の2月です。
佐藤:FBで紹介されましたか。

鈴木:PDFであるかな・・。『原子力の依存度をさげろ』という記事です。
佐藤:このままでは、鈴木先生は暇になりそうないですね。
鈴木:送りました、読めますか。

佐藤:読めます!
鈴木:これは原子力発電の将来像といって(下)を書いたんで、記事には(上)もあるんです。原子力推進の先生が書いています。掲載紙は日経の経済教室です。これも依頼原稿です。どこかに私が書いた記事を見たようで、日経新聞から連絡がはいりました。エネルギー基本計画において批判的な記事を書いたんです。
佐藤:長い、大きな記事ですね。推進派のかたの記事も長いんですね。

鈴木:そうです、原子力必要だ、と書いてます。
佐藤:2025年の2月19日の記事ですね。紙面は県立図書館にあります。
鈴木:私は知らなかったんですけれど、教えてくれた方がいました、「この記事が出た後に、鈴木先生の日経新聞の記事に対して反論文書が出回っている」、と。電力会社からです。私に何も言ってこないで、(批判)記事を回さないで、マスコミや関係者などに配ったそうです。それもあります。(笑
佐藤:悪口を書いているんでしょうから、その内容も欲しいです・・(笑)。
鈴木:悪口というか私の言っていることを全て・・笑。
佐藤:鈴木先生に向かって発言してこい、と言いたいですね。なるほど、鈴木先生は電事連などの結束を強める役割を果たしていますね。
鈴木:書いてまずかったですね。
佐藤:彼らは何を怯えているんだろう、鈴木先生から結束・エネルギーを頂戴しているのに(笑)
鈴木:私に言ってこいよと思うんです。
佐藤:論破されちゃうので怖いんでしょう。
鈴木:だったら、出すなよと。負けちゃうのが分かっているなら出すなよと。
佐藤:鈴木先生は長年怖がられていますね。
鈴木:標的にされるのはいいんだけど、人に渡すんじゃなくって私に言ってこいよと思います。それもできないなら出すなよと思います。送りますねながいですよ。もちろん私は読みました。ディベートするなら喜んでします。私は見てないことになっているから申し込んできませんね。


佐藤:鈴木先生をどうにかして潰したいんですかね。
鈴木:潰すほどの偉い存在じゃないですよ。私だけじゃなくって、反対意見をだした人に反論するみたいです。私の論考は日経新聞に掲載されましたから、読んでいる人が多いので。朝日、毎日に比べれば影響力強いと思ったんですよきっと。
佐藤:日本の会社は日経新聞購読してますから、記事の影響大きいでしょう。

鈴木:2月の日経の経済教室の論文を読んで、立憲民主党の人が訪ねてきて、「うちの勉強会にきてください」と。今、勉強会に行ってます。ボランティアですけど。東京に行かないときはオンラインで対応してます。

佐藤:働きすぎに見えますが。体調は問題ないでしょうか。
鈴木:こないだニューヨークへ行きまして、核兵器禁止条約の会議に行った帰り、夜行便のエコノミークラスだったので、風邪ひいちゃって喉がやられちゃいました。熱は出なかったけど咳がとまらなくって、しばらく大変でした。寝るときだけマスクしてたんですけどね。

・・・・雑談・・・・し合っている。


鈴木:福島の復興のお金は建物を建てるのではなくって、原発に関する独立した専門家をを雇うためのお金に使うといいんですよね。・・・復興の問題は科学系の問題よりは人文系の先生がいいですよね。

佐藤:鈴木先生には核燃サイクルをとめる法律をつくっていただいて、まずは、日本の核燃サイクルをやめさせる。

鈴木:こんどこそ悔いを残さないようにやらなきゃいけない。

佐藤:よろしくお願いします。2時間過ぎましたので、ここらでお仕舞にして次回またお願いします。今日も長時間おつきあいいただきありがとうございました。

 共に、さようなら。