柳原照弘さんと語る 2022年7月19日午後3時〜 | 作成文責:佐藤敏宏 | |
僕は思想家じゃない | ||
場所:大阪市 本町の柳原照弘さんの事務所屋上 | ||
■デザインイーストについて 佐藤:何年振りでしょうか?お久しぶりです。ここは大阪のど真ん中ですね。 柳原:そうですね。梅田と難波の間です。 佐藤:本町と名付けているぐらいだから、浪速商人のど真ん中。金持ち多いぜ!ここの屋上もいいね。 柳原:大阪のオフィス街です。 佐藤:デザインイーストが途中で消えてなくなってしまったような感じなんですが・・・そのあたりの事をお聞きしたいと思ってやってきました。 |
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■DESIGNEAST00開催概要 世界のEAST・大阪から、国際水準のデザインを 都市の新たな可能性を見いだす試みがはじまります。 デザイン / 都市について考える3日間 日 時:2009年9月18日(金)、19日(土)、20日(日) 会 場:Nakanoshima Banks[EAST棟] 大阪市北区中之島5丁目(堂島川左岸) 入場料:1,000円/1日 2009年9月。世界のEAST・大阪から、「デザイン/都市」の新たな試みDESIGNEASTがはじまります。プレイベントとして開催する00では、“世界で起こる現状/事例を知ること”を目的に、デザイナー、企業人、メディアを招聘。「デザイン/都市」をテーマとしたトークイベントを中心に、海外の若手デザイナーによる展示、限定ショップ、パーティーが楽しめる3日間にわたるデザインイベントを開催します。 左絵・文ともwebより |
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柳原:デザインイーストは原田祐馬君たちと「10回はやろう」ということで、9回やったんです。残り1回です。いろんな状況があり準備とかできなかったり、周りの環境も変わったので、一回を残して、終ったというよりは休憩中ですね。 佐藤:残り1回実施する気はあるんですか? 柳原:どうなんですかね。 佐藤:派手にやり過ぎて疲れたかな、主催者の皆さんもじょじょに年取る。そうなると体力がなくなるし難しいですかね。 柳原:完結せずに終るというのもいい。そういう状況にはなっています。 佐藤:柳原さんに福島の我が家に来て講義していただきました2007年3月31日(記録へ)以降、だいぶ柳原さんの背中を押してしまいましたので、最後まで見届けようかな、と思っています。藤村龍至さんと仲間たちイベント(ライブラウンドアバウトジャーナル)も失速し消えてしまいました。大学の先生に就くことが目的で、就任すると民間活動はあほらしくてやってらないんでしょうかね。 |
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柳原:もともと若手でデザインする状況をつくっていく・・・みたいな状況だった。9回実施して、逆にみんなで状況をつくっていくよりは、個々での仕事とかプロジェクトで状況が生まれているので。 佐藤:9回目は浜松で開催でしたか? 柳原:9回目は浜松ではないんです。山口県にフィールドワークというか、ちょっと嗜好を変えながらやっていたんです。 佐藤:最近は公共団体の芸術祭や企業のアートイベントも流行っています。在野の若者が未知のイベントを開催するのは貴重だったけど、政策によって資金が投下されるイベントを見ることで、若者はやる気がそがれてしまっているのでしょうか? 柳原:状況をつくることの意味があったんです。イベントになると、実施するために何かを考えないといけない。で、反対に状況がつくれなくなってしまう。 佐藤:デザインイーストも祭りと捉えると「全体が大きく派手すぎる」と思った記憶があります。 柳原:そうですね。 佐藤:質素に実施し続け現在を問うイベントのありかた方に意味はあったと思いました。デカくしてしまうと、人も大勢かかわるし、金銭の管理も、安全管理などの運営が難しくなりますよね。巨大なお祭りに近づいてしまうと管理不能になるし開催地には祭りを安全に開くベースを持っていないなど、心配な点もありそうですし。 柳原:お祭りとかイベントとかになるのはデザインイーストの元々の開催意味ではないので。 佐藤:伝統的なお祭りは大阪市内にも一杯ありますね。 柳原:僕らと家成さんとか含めても、もう若手じゃないし(笑) |
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柳原さん前列右 絵:デザインイーストFBより |
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■柳原さんは大学で教えないんですか? 自分が仕掛けることにあまり興味が無くなったんですよ 佐藤:中堅ですよね。家成さんも大学の先生になりました。柳原さんは大学では教えてないんですか? 柳原:何回かやったすけど、教員の気質がないから辞めました(笑)私は毎週決まった日に大学に行くのが無理ですね。空いてる時間に行って教える形式じゃないと難しいですね。 佐藤:後輩と語り合うするなら、この屋上テラスに若い人を集めて、仕事の合間に教える柳原塾を運営するのがよさそうですね。若い人との対話に興味があればだけど。 柳原:何かを自分が仕掛けることにあまり興味が無くなったんですよ。自分のモノづくりに専念したい。 佐藤:自分の体質に合った行為、デザインに専念するのはいいことだね。 柳原:時間の使い方で、以前は仕事もなかったのもあります。今は仕事自体で状況をつくる、というところに興味が湧いてしまいました。 佐藤:自分の興味の赴くまま行動すればいいんじゃないですか。自分のデザインでものづくりに集中していくことで状況を変え続けられれば。 柳原:元々がデザイナーなので、ものがつくれることが大事なんです。コミュニティーづくりになると、ものではなくって、事になるので。 |
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■新型コロナに遭う 佐藤:デザインしものづくりを支えている柳原さんのコミュニティーが豊であれば、デザインとモノづくりに専念したほうがいいですね。俺は「あとは死ぬだけ」なので、コミュニティーとか対話が面白いです、内容は未成熟で自由が生まれにくい、そう思っているから時々活動してます。 ものづくりの状況も新型コロナに遭ったり、新しい戦争が起きたり、原発事故も起きたり、SNS大流行になってたりし障害がたびたび発生しました。この夏に京都では祇園祭は3年ぶりに再開し大混雑してましたが、新型コロナに襲われて、日常的な身近な祭りのような共感できる状況をつくりだすのが一時困難になってしまいました。デザインや、文化、音楽とか文化の共有方法がスマートフォンを介していませんでしたが、新型コロナ以降はスマフォなどの情報によって情報の上では共感の場の多くを支えてしまっています。日本にはスマフォを作り出す基本の技術はあったけど、デザインしてスマートアプリを生み出す人材とそれを支える若い人たちに投資する世間ではなかった。 で、アメリカのGAFAMに一方的にやられ放しですね。技術はあっても音楽や踊りの才能を持っている人がいても、海外に流出します。社会とのモノの関係をデザインできる人が居なかったのでしょうか。育てなかった、育ってこなかったのかもしれませんね。webなどで瞬時に世界と言われるようなものが一体化するなかで、ものづくり、デザイン力で勝負に参加できなくなってしまったんでしょうかね? 柳原:最終的にコミュニティーの成熟、かたちにすることが大事だと思うんです。そういう人が少なくっているものあります。ただコミュニティーが無くなったわけじゃなくって、広いコミュニティーに興味がなくなった。建築と一緒です、スケールが大きくなると精度が落ちる。 佐藤:建築系の人々は大きな物語好きでなんだと推測します。物語は最初から空想だから、小さいところで、身近な対話をつくる方が人間本来の暮らし方だと思います。空想を施設化する巨大な建築は廃虚になっていくしか結末はないのでしょう。 オリンピック開いても万博開いても、前にある小さな物語の対話から生まれるものと、それらとは違ってしまっていますね。 |
【サマリー】サイトより ・コロナウイルスの報道は2019年12月31日13時41分が最初 ・死者の話題は1月20日発生、現在までのピークは2月14日だった ・WHOに関する記事は1月8日から目立ち始め、1月23日からより活発化 ・1月30日まで武漢の話題が多く、以降は中国の他の地域の話題に広がる ・クルーズ船は1月21日より記事が出現する。当初は中国当局が発行する「健康カード」をクルーズ船に適用するというもの |
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■身近なコミュニティーを大切にしたい 柳原:広いコミュニティーより身近なコミュニティーを大切にしたい。 佐藤:柳原さんは政治家ではないから、ものづくりコミュニティーを大切にしつつ活動するのは無理のない姿です。2000年初めはインターネットも未成熟でした、WIN95を使っていた人はいたけど、熟議の場と期待されwebででき、そのことでが民主主義をよくする・・・とか、ネットでの縁が人を豊かな生活に導くとか、そのような幻想がありました。あれから20年後の今はSNS環境が、広告と人を雇ってフェークを流すような場に変質しました。で、流れ落ちる情報は世を表すように玉石混交です。匿名で言いたい放題投稿し合うのでweb議論の継続性と信頼性が失われました。2000年当初もwebは今日のような様になる・・・・とは言われていたんだけど。なりましたね。 お茶が出てくる カフェインだめなので、柳原さん二杯飲みますか 柳原:2杯飲みます(笑) 佐藤:水お願いします。何?話してたかな、・・・・2011年東日本大震災を切っ掛けにしてTwitterもFBも大流行りになりました。大地震でもTwitterがダウンしなかったことを契機に災害時にSNSで連絡し合いのには有効になり、行政も企業も政治家とその組織も一気に参加しました。お金持ちが優位のwebですから民主主義を生み出す選挙活動には合わな(笑)が皆さんwebを使う。 元・首相暗殺事件を機に戦後政治の嘘とフェークのオンパレードだったことも明かされつつあります。大きなきなコミュニティーをネットを介しうまく運営出来て、熟議の場をつくれるとう幻想が地に堕ち本来の人間関係に戻る機会になったと思います。2022年現在20年前に生まれたwebに対するそれらの幻想は一旦、地に落ちてよかったなーと俺は思っています。繰り返しになりまいしたが・・。 柳原さんが言われるように、小さなコミュニティーできちんとモノづくり、デザインをし続けることで生み出される豊かが再認識されてよかったです。 柳原:身近なコミュニティーを大切にしものづくり、デザインする方が自分に合っていた。 |
2022年7月8日号外 |
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佐藤:俺は行きがかりじょう大阪の人に声を掛けたから15年後どうなっているのか?聞き回ろうと思っています。大きなコミュニティーに貢献するみたいなことを言いだし動かすと、家人のように健康的な人は発狂してしまいます。もの言いが、デカすぎると宗教がかって、精神を害する。 柳原:そうですね、もともと精度が自分の中で大事だったんです。建築のスケールも大きくなりすぎると、そういう状況になるので意図的にコミュニティーを小さくしました。 佐藤:賢いね。柳原さんのデザインワークは実存的、もので勝負する領域だということですね。 柳原:そうですね。いろんな人が居るなかで私は思想家ではない。ただコミュニティーを失ったか・・・?というとより強いコミュニティーをどう作るかというのは、新型コロナ以降考えています。感染症が起きてから事務所が要らなくなって賃貸契約を解約して、オンラインになったり、自宅ワークにしたりしているんです。けれど、僕は逆にフランスにオンラインで事務所を作ったんです。今はフランスと大阪の本町を行ったり来たりできるように・・・コロナ中から作っていて去年からそうしています。 佐藤:小さくて濃密なコミュニティーを世界各地につくりネットワークで結んでいると。今ふうで、移動も自由にできるようになってきたのでタイミングはいいですよね。 柳原:リアルな小さいコミュニティーが繋がっていく。 |
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佐藤:マスコミが煽るから(笑)感染症や戦争が起きるとどうしても大きな物語で語りたくなるのでしょうね。マスコミ情報に巻き込まれちゃう人が多いのは常です。それを抑えて、小さなコミュニティーを大切に構築していくんだと。世界を、地球環境をなどとデカすぎる語りは抑制していると。 柳原:僕は思想家じゃないから、活動する領域はそこじゃないなーと思いました。 |
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■岡田先生大学を辞す 佐藤:岡田先生が大学を辞したのは知っていますか? 柳原:はい、直接じゃないんですけど風の噂で聞きました。 佐藤:京都に来たのは京都で「岡田先生ご苦労様会」があって招待され、山崎さん、満田さん、森田さん、水野さんの4人が1人1万円ずつ電車賃を負担してくれて「来い」と。 せっかく関西に来る機会を得たので少し聞き取りしようと思って。今日は4日目なんです。 多くの内容は聞き取り記録に残せない感じです(笑)大学で仕事のしすぎ、男性の更年期障害が始まっている、中年になってきている・・・そんなじでした・・・かな。それに、家族が大人になりつつあるなど、複合的な問題も起きるので男性も50才前後はかなり疲れる世代だと思います。 柳原:新型コロナ感染中、みんなに会わなくなったです。みんなが出て来ないので。原田君はグットデザインの審査とかでたまに会います。 |
絵:2022年7月16日 満田衛資さんの事務所にて |
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佐藤:岡田先生が疲れちゃって大学を辞めるというのはいったいどういう事なの?と。ちょうど6月初旬に岡田先生に電話したら、「こじんまりと小規模でご苦労様する」っていうから、俺、参加するの諦めていたら山崎さんからメッセージ来て「佐藤さんサプライズゲストで来てください、電車賃出します」と書いてありました。で来た(笑) 岡田先生に会ったり、家族の方々にお会いしたりしました。建築の構造によっておこる問題でもあるか?個室がないので全員大人どうしで5人は暮せない建築の構成になっている。で主体を強調する現在では、大人になったら誰かが出入りするようにしないと暮せない。現代の家族には対応できいないのか?家の構成が起こす問題もあるだろうと・・・。 柳原:そうですね。 佐藤:だれが最初に建築の構成から出て暮らすか?と。お父さんが最初に家出する。出たり入ったりする新モデル・パパになる。パートナー同士がそれぞれ活動して互いに出入りする新ママをする方法もある。新型コロナのストレスも加わって多くの人は行動を抑制しすぎ家に籠りがちで、鬱っぽくなっている人もおおそうですね。 柳原:そういう人、増えてますよね。 佐藤:新型コロナに襲われ出歩くことが少なくなってしまうと、無駄な情報を出し入れし捨てる場所も少なくなって、内向きになりすぎる傾向になる。大学はオンライン授業が多くなって学生と会わずにモニターに向かって授業を続ける(笑)もの人間性から外れている教育手法だと思います。50歳前後は働き盛りだ、大学から仕事は山の様に与えられる。その時、老化も始まり男性ホルモンも少なくなりだし元気が薄くなる。いろいろな要素が複合的に身体と環境を襲い元気な男でも鬱っぽくさせる・・・・とは思う。どんなことで鬱が起きるか?なんてこの複雑多様な世にあっては分りようがない。 柳原:そうですね。 佐藤:家の構成で解決できるとすれば「千万家」の形式があると思っていた。家の外壁の一部が蒸発していて、離れた部屋の構成によるから、誰でもいつでも出入り可能。で集まって飯も食えるキッチン設備がある家が人との関係によるストレスを薄くする。離れたり付いたり自由の選択で行動できる家の形式が多様な災害に対応できるのではないか? 柳原:一体型の家は、竣工当時は子供が小さいときは対応できましたた。高校生とか中学生が一緒だと、家の形式は無理がありますよね。 佐藤:考え方は多様でいいけど、私は子供を家から出して個室を借りるようにしてきました。ご飯は家で一緒に食べる形式で対応するのがいいとは思う。家族の暖かい空気から一歩外に出て貸間で受験勉強するとか徐々に家族から離れる時空は要るように思います。高校から全寮制の学校に入るとか、多様な人と家の違いを体験しながら大人になっていくのはいいと思うね。 柳原:子供の成長とともにその対応を考えない人はいないし、新コロナが加わってさらに詳しく考えたと思いますね。 |
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■リアルで小さな交流のすすめ 移動せよ 佐藤:去年1年間zoomを使って、毎月(笑)5時間ぐらい駄弁ったんだ。どうもリアルで会って話し合った、あの満足・充実が無いんだよね。 今、この屋上にいて話合っていると大阪本町の、都市空間が生み出す音・車の騒音、そして、空気の動き、風の音や臭い、さらに隣の人が覗いているなどの無駄な情報がある。この無駄な情報があるなかで人は生きるのがいいんだと思うよ。 柳原:それに移動が大事ですね 。 佐藤:今年から出歩いてます。3月に高知市に呼ばれまして学生とワイワイし交信もしました。 大阪は柳原さんに推薦してもらった人々の15年間に4回来て人に会うと決めて始めたけど、今年がその15年で、みなさん立派に社会性をもってる。東日本大震災後状況でも関係性は変わりましたし、今、情報は各自SNSなど使って自由自在に発信するようになりました。聴き取りお節介が不要な社会になりました。お節介聞き取りは要らなくなったのか?それを確かめるためにも10月聞き取りに来てお仕舞にしようと思っています。 大阪の人たちも大学で教えている人が多い、原田さん、スペース・スペースの3人各位、家成さんも教えてます。 2022年3月9日高知工科大学、渡辺菊眞研究室・学部生修士生と呑む 柳原:原田さんは仕事に集中するために専任講師を辞めたのじゃないか? 学校で教えると精度が落ちるというか、広くなりすぎてしまうので。 |
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■柳原さんの事務所のこと 佐藤:柳原さんの事務所の話に戻します。ここ、大阪の本町の事務所はいつから借りていたんですか。 柳原:6年前に京都から引っ越ししました。 佐藤:古くていい感じの事務所ビルを見つけましたね! 柳原:見つかったので引っ越しました。100年以上は経ってますね。大正時代だから90年かな。 佐藤:昭和は1925年からですから100年でいいんじゃない。梁がないフラットスラブで大空間が生まれてる。今はウレタン防水だけど大正期にはウレタンは無かっただろうね。コンクリートで直仕上げが防水だったのかな。 柳原:ここも去来月、神戸に引っ越します(2022年9月)ヤドカリみたいな感じで、状況に飽きるので・・・。 佐藤:デザインする人は事務所のある場所から刺激をうけるだね、時々引っ越すのはいいんかも。 柳原:次はフランスと神戸を拠点にします。フランスに行く場合は関空から直行便があるので便利です。フランスではマスクも強制されないですし、展示のイベントもやっているんです。 佐藤:西欧ではマスクなしの人が多いみたいですね。 柳原:マスクしてないですね。 佐藤:マスクなしで以前のような人との交流して生活すればいい。 |
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柳原事務所のスタッフそ撮る ロンドンと東京事務所のスタッフも参加 |
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柳原:京都の人とは水野さんの奥さんが亡くなったあと会ってないです。 佐藤:柳原さんの仕事、世界展開してましたね!所員はどんな配置ですか。 柳原:彼女はロンドンから来ている社員です。他は日本なんですけど1人は東京です。今は東京組は2人います。フランスに3人、ロンドンとオランダのアムステルダムにも所員がいます。 佐藤:デザイナーって稼げるんだね?(笑)仕事しているってことですよね。 柳原:それなりの仕事をしていれば雇えます。仕事はちゃんとしています。給料に払っています。日本が一番物価安い。ヨーロッパの初任給は50万円とかで、日本が給料、安すぎますね。 佐藤:西欧は税金高いだろうけど、社会整備と福祉政策にお金使っているようです。ドイツに娘が暮らしていて「税金高いけど暮らしやすい」と言ってます。フランスは知らない。 柳原:フランスはちょっとバランスが悪いですね。デンマークはバランスいいです。 佐藤:柳原さんの作品の広報はどうしているですか?ホームページで発表しているんですか。 柳原:あんまりしてないです。HPは更新していないですけれど、神戸に移るので今、準備しているところです。 佐藤:大島哲蔵さんが生きてたら、柳原さんの成長ぶりを毎日、見にきてたろうね(笑) 柳原:大島さんが生きていたときは自分でHP作っていました。 佐藤:大島さんに見せてやりたかったね。 柳原:たぶん、「何やっているんだ」と言われそうな感じですけどね。(笑) 佐藤:そんなことはないだろう。大島さんが亡くなった2000年頃とは状況が違う。いろんこと言わないと思うよ。いろんな人と関わって仕事も西欧に展開しているのは、デザインの動きが見えた場所から仕事できるので、いいと思うね。 柳原:今は一番楽しいですね。 |
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■デザイン、文化は戦争にも感染症にも抗する力だ 佐藤:ここに来て強く思ったのはアートやデザインが戦争や感染症を打ち負かすために有効、それが分った。 文化や藝術表現の力が戦争に対抗できる人間性だと気が付きました。 柳原:そうですね。 佐藤:ロシアとウクライナで戦争はじまって、ジャベリンという1発2000万円で8億円の戦車を攻撃してるみたいです。人が殺し合うんだけど、無駄な事しているよ。歌謡、たとえばKポップの音楽と動画つくるにに衣装などや瞬間瞬間の顔の化粧の凝り方を含めて数億円は掛けているんだろ。けど世界中の人がハッピーな気持ちになる。日本の少女たちが熱をあげている。日本の嫌韓好きの政治家の存在よりよほど貢献している(笑)。戦争や政治より文化はいいよとシミジミ思います。これからもデザインの時代は続くんですよ。 柳原:そうですかね。分らないですけど。 佐藤:ものに力、それはデザイナーに力がないと生まれてこないということ。 柳原:デザインって困っている人が多いほど仕事になると思います。お金があってしょうがない・・・となるとデザインが要求されるのか分らないですけど。 佐藤:コロナに襲われて世界中が困っているときに柳原さん絶好調になってきてる、行けそうだね。 柳原:コロナ災禍の中で3年間準備したんです。 佐藤:ネット空間や、ZOOMでも世界中につながることができる。20世紀の情報環境とは違ってしまったよね。それは柳原さんの仕事にとってはよかったんですね。 柳原:そうですね。コロナでいろいろ出来るようになったのでよかったです。 |
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佐藤:これで終わります。10分ほど、作業するので事務所のWi-Fiと机貸してください 柳原:いいですよ、もちろん(笑) |
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■最後まで読んでいただきありがとうございます。これでお仕舞です。 2022年10月には再度柳原照弘さんの事務所をたずねてワイワイする予定です。 制作・文責佐藤敏宏 HOME |
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