HOME   佐藤敏宏が作成しました     佐藤敏宏(元・エア建築家)@セシウム都市フクシマ  による聞き取り記録集
三島香子さんに O邸を語る 2013年7月4日 代々木傍に中山事務所にて
その01  その02 


 O邸の足下は桑の実がたわわとなっており夏です



 




   


   
   
   

  

  
  
  








 いつも何かが起こっているO邸

















 

 02 

佐藤:地下の物入れが いがいに広いと
三島:そうですね収納がなかなかとれないので。巻き付いておりていく階段とか、やりたくなっちゃうんですけど この階段は傑作ですよね
佐藤:台所の領域の方から家型の方にねじれて入り込んで 行ったり来たりする処が面白い。

三島:パブリックなスペースで使いたいとかいう話は出ていたので、なるべく寝る 空間をここから遠ざけようと思ってて。そうすると階段が 普通12,3段で普通の家は済むのが 20段ぐらいあるんです。だからどうしても階段の大きさが おっきくなっちゃって。 外だけでも解決出来ないし 中だけでも解決出来ないから、外と中に半分半分平面的に
佐藤:最初扉付いていますね
 

三島
:ここの下とか上とか
佐藤:無い方が圧倒的にいいね その当たりが変わったと

三島:規則的にやりたかったんですけど、奥様が途中で風水上よくないとか言うことで。開けた瞬間に奥に扉があるのが悪いってことで 

佐藤
:たしかに ずれている方がいいね。風も流れるし
 土も無い今の方がいい
三島均等じゃなくってちょっとずつ開きを変えていった

佐藤:最初の地墨打ちと どこをどうして墨だし始めるんだという感じるよね
三島:それはもう 座標で
佐藤:それは 現場から泣きがはいりそうだ
三島:それは全部 始点を設定して、ここからの座標でやりましょうと。

佐藤:キャドでは書けるが 凸凹している 捨コンクリートの上には難しそうだね
三島:麦わら帽子かぶってずーっと 張り付いて。 測ってみると いがいに合っていて
佐藤:鉄骨建てるときにアンカーボルトが要るじゃないですか、ぴたっと合わせるの難しくなかったですか
三島けっこう 合いましたね
佐藤:すごい優秀だな−こんな細い〜部材 つかって

三島:なんですけれど 建ったら全部がちょっとずつ歪んでいて
佐藤:溶接で伸びたり縮んだりするからね
三島:そう そう そうですね、ラーメンだったんで 溶接が
佐藤:元の材料 それぞれにも癖があっただろうしね
 
三島:100Hなんでね。断面でみると 右から2番目
佐藤:全体が立ち上がると めちゃ細いよね 鉄骨や怒りそうだよね
三島材料費は安いけどって

佐藤:歩留まりが悪いので鉄骨屋さんは 辛いよね「もうからんわー」って言われちゃうよね
三島:それは実感しましたよくがんばって いただけた 
佐藤:RCかなーと思うほど断面が見えているのでね。

三島:RCって話もあったんですけど。ここに全部木口が見えてきちゃうんで、薄くしていくには どっちかなーって思ったときに、RCだと220厚ぐらい必要で
佐藤:軽快な感じにならないかな、木口のガラスが象徴的に仕立ててあるわけだけど、一枚ガラスで運び込むスペースがあったから可能だったわけで
三島:そうそう、そうなんですよ

佐藤:あんなに でかい一枚ガラスをくねくね曲がった住宅街の路だと運び込めないよね。
三島:そうなんです、この当たりに車を止めて
佐藤:クレーンで吊ってガラスを建てている写真を見せてもらいました、橋を渡って曲がる当たりが 厳しそうだよね

三島:バックで入って来て
佐藤:工事用道も運が良いというか、車入れなかったらどうしたんだろう 何ミリですか
三島:22ミリのフロートガラスで、確か持って来て 8人ぐらいの白装束の職人達がお祭り騒ぎでみんな観に来ていて
佐藤:何が始まるんだ〜と 車付けると 走り出しそうなガラスの囲いだった 
三島:山車 蔵みたですよね

佐藤:ガラスは接着材で止めているんですか、これかステンレスの枠でくわえているのね。2重にしているわけね このガラスをはめ込む時はお祭りだよね 
三島:お祭りです 上棟式並みの 何百キロだったかなー800kgだったかな 

佐藤:満田さんは周囲の下屋部分の垂木の収まる相手が 鉄骨側になくっても巧く収まったと自慢の収まりだって 言ってましたよ。天井面に構造材を まま見せているからね 平面が丸い天井の部分の鉄骨が難しかなーと模型では思いましたがそうでもなかったですか

三島
:ここだけでも工場で作ってきやって 剛で作ってきちゃってセットして。残りを つなぐって感じですね

佐藤:墨だし のことと 鉄骨建ったけど 歪んで次々に躍ると 風でも揺れそうだしね
三島: ブレースが全部に入っているわけじゃないので。屋根は全部入っているんですけど。壁面は流れるように大きなバッテンを描く感じで作っているんで
佐藤:全部入れたら出入り出来なくなるしね
三島:そうそう、なんで ここを引っ張って歪みを直しても  別の場所の柱が動くとか、直結しなくって。

佐藤:建て付け直しが苦労したって話しておりました
三島:けっこう泊まった覚えが あります
佐藤:1週間かかったと言っていたかな
三島:全部測ってもらって、下げ振りで。

佐藤:請負師は こういう難し建築を ときどき造らないと レベルアップしないって 言っていました
三島:誰が言っていましたか 佐藤さんですか
佐藤:永岡監督が言っておりましたよ すごいことだなーっと。何でめんどくさい建築を請け負うんですか?って聞いてみたんだけどね。たまにそういうの挑戦しないと呆けるんですって話してました。儲かれば全てよしの社会にあって あの発言は面白かったね〜

三島:すごいなー
佐藤:フクシマではそんな発言する人居ない 会った事ないですね
三島:永岡さんて そうなですよね。なにか大きくって
 
佐藤:最初から建築の人じゃないんだね 後に請け負い師 に変わった めずしい人生を歩んでいるんです 都会的な発言だな思いました。それから鉄骨でしょう あとは壁のことはさっき割れの話を頂きました。あと床だよね。床材は最初からこの足場板だったですか

三島:初めはコンクリートで、ってこともあったんですけど。上もデッキスラブなので、だけどそれよりかは。あまり冷たくない方がいいとか。板は板で古材を使って

中山:床暖だ 床暖を入れるのが前提で。エアコン嫌いだけど 床暖房は入れたいって。床暖専用のフローリングが凄い高いんですよね。だから最初っから乾き切っていて、ある程度暴れても、最初っから暴れている表情の具合を使っちゃえば、高い床暖用のフローリングを買わなくっても。なんとかなるんじゃないかっていうことであれを使った。

佐藤:なるほど なんとかなっちゃってますね。
三島:あとは風呂場側はタイルですけれども 床暖を入れてます

佐藤:この家型の部分を使って 昨日(2013年7月3日)は近所のお母さん達が集まってフクシマ問題の話をしたんですけれど。大人が7人ぐらい来て子供も同じ数来て こども同士が喧嘩して間 ぐじゃぐじゃの中で話していたんですけれども、まるできみこさんの家では無い様な気配で。集まった皆が使い込んでいて。

三島:どの方が家主か 分からない感じになってますか
佐藤:所有者が誰かも、誰の物でもいいけれども 使われ方も住宅から飛び抜けていて、本当の路上が家型の中に こんどの新しく作られた 東京中山さん建築  中に路地が包まれている 建築 扉プロジェクト蒸発して 頭に来て 東京に作ってしまった感じもあるし

中山:はははは

佐藤:中山建築の底流がきちんと繋がって各地に出現している感じで いいよね
三島:うん うん
中山:まさしく そうなんです

佐藤:深化しているから いいよね もっと中山さんを怒らせよう ふふふ 怒りや困難が消化され 整理され きれいに建築として現れ出るのはいいですね O邸使われ方が 現在のようになるって想像されてました ずごいですよ 「建築あそび」以外では 実体験したことないし 見たことないですね
三島:1ヶ月ぐらい一緒に住んでいたし、他の前の出張でも よく泊まっていたときより たくましく住まわれている ので

佐藤:参議院議員の立候補者も来ちゃって 語ってますからね 演説しちゃっているようです
三島:
佐藤:そういう場所になって、みんなの物というか 使われ方が非常に今世紀に必要な建築と所有者の好い在り方です
三島:ここまで開かれるとは確かに思ってなかった

佐藤:ガラスの内側に子ども達が立って 道路を通る人に 裸を 見せたりしちゃったそうで 
三島:何歳までできるんだろう
佐藤:子ども達の裸踊り  毎度泊まる度に見せてくれるんですけれど それを撮ってたんです。、長男は小学校3年生かな 彼は「もうやらない」って言ってました。下の子はやりたい ってでしたね 

中山:あの みんなで裸で躍っているのって佐藤さんが撮ったんだ
三島:そうですよ ね
佐藤:そうです 行くたびに裸で おお慶びで 即興の詩に曲を付け歌い よろこびはしゃぎ あの家型の中で躍り出すんです 撮って データを岡田さんに送ってたんですよ。展覧会の映像に躍りが入って居るんですか  そういうふうに変わって来て。



三島:内側の壁も割れないように相当全部メッシュで防いで。たぶん一週間以上みんなで研いでいたって感じです。この中を 本当に 思いだしてきた。

佐藤:ゆるーく湾曲しているから 光が道路側から入るから 凸凹目立つよねー
三島:北側の間接光が 本当になめたような角度で入って来るんで。本当にわかっちゃうですよね。誰にも判っちゃって。凸面ですよね
佐藤:最悪の設計だよね。めちゃめちゃだよね
三島:凸面は本当に間接光 気おつけなきゃーって

佐藤:そうですね、その後は行かれましたか
三島:2年ぐらい行ってないですけれども。
佐藤:でて来たばかりの時は現場管理に疲れ切て グッタリだったんでしょう
三島:逃げるように 京都を去ってふふふ

佐藤:分かる でも 3年目のチェックの時にみんな集まって宴会しましょうね みんでワイワイしましょう こんな感じでいいかなー あとはまたメールなど でやりとしして 追加の聴き採りを行って完成させましょう

三島:はい 
佐藤:では ありがとうございました




 読んでいただきありがとうございまいした 佐藤敏宏 

 O邸内で行われたみんなで味噌造りその様子など 色々に活用されている建築の様子をご覧ください 奥様は「公民館みたいになってる」と発言され活発にこの建築を使い込んでいます (動画を観る