花田達朗

■2023年6月6日 著作集の刊行が完結しました

『公共圏の実践―時評と定義―』が「花田達朗コレクション 第6巻」として刊行され、本日発売となりました。この第6巻の刊行で著作集の完結を迎えました。大学を退職する直前の2018年2月に第1回目として第2巻が先行して刊行されてからもう5年が経ちます。当初はその3分の2の所要年月で終わる見込みでスタートしたのですが、予想外に長引きました。出版社側の都合に合わせて各巻ごとに目次や編成を考え、収録論考の表記を見直し、はしがきや補記の原稿を書き、その後しばらくして初校ゲラが出たら校正するという繰り返しを6回ほど行いました。もちろんこの5年間べったりその著作集の仕事をしていたわけではありません。長いインターバルが開いた後でまた短期の作業をするという具合です。全体で費やした正味の時間はそれほど多くはないでしょう。
しかし、心理的に、あるいはスケジュール的にこの著作集刊行に縛られてきたのは確かです。刊行が終結したことで一つの区切りとなりました。これで「定年退職後」という一つの期間に終止符を打ちました。5年間での区切りです。これからはもう「定年退職後」とは考えません。今、過去から解放された気分です。この間に思考と感受性の組み替えはかなり進みました。書斎の断捨離をとことん進めようと思います。身軽になって次の旅を始めます。先月このウェブサイト「サキノハカ」もリニューアルされたばかりで、よい出だしとなりました。




第6巻の目次など概要はここから https://www.sairyusha.co.jp/book/b10030797.html

(内容)
コレクション最終刊は、花田の思想の拠点である「公共圏をいかに切り開き、維持していくか、いかに公共圏を耕作していくかの道筋とヒントを、その時々の時評で紹介する。市民社会の共有地としての公共圏、その実践のための思想的武器として、歴史的プロセスと概念の定義を示す。

(解説)
依光隆明(元高知新聞社会部長、元朝日新聞特別報道部長)
浅野良子(ブリティッシュ・カウンシル元ブリティッシュ・スタディーズ・オフィサー)
渡辺周(Tokyo Investigative Newsroom Tansa 編集長)

全6巻の書影はここから  https://www.sairyusha.co.jp/search/s101526.html