2009年 ことば悦覧in京都レクチャー資料  BOX1について

  1984年竣工   RC壁式構造 地下1 地上2  敷地 100坪ほど 建物 40坪ほど 
  築25年      建築費1500万円 (公庫750万 手持ち資金 250万 他500万)
             土地代2250万円 (1000+1250) 
 
               

 


       


   

   

   

  25年後 7月31日現在 プロムナード庭より東を見る
   
 

  建物内 中庭より西側を見る 1997年7月31日
  

  1984年12月〜5年2月頃 
   

   1985年2月頃

   1984年11月7日   朝日新聞福島版  会田健一郎+記者が取材に来る 

   

  1984年11月7日朝日新聞福島版 記事 

 

   1990年頃
   


 1994年春  

   
              


                   
自生する建築
 活動の場を保証する物理的な場 
 建築的権力は他者を排除するが 許された者だけが居る
 その場では人・言葉・自然現象が激しく交通交流し去り消えることで感情が生産され続ける事が可能となる 
 ネット空間のような2チャンネルにある 自由を建築当初から拒絶している今後も自由はない望めない
 非多文化主義的(物語る権利)であるから、原理主義(真理への執着)に帰すのが関の山である。
  拒絶された者ムーゼムマン(プリー・モレーヴィ)は初めから人間として扱ってないのが建築であった

 建築の理想態は路上でありやがてその理想態は草原になり森となるのではないか

外部〜 中間〜 内部〜中間外部 それらの関係が管状(口や胃や大腸)に連なたように体験できるいる
 食物や言葉や人との交流もそのように自己の生の中を通過して行く   植田実さんコメントへ
  
 
  1990頃
  

  2000年6月12日大島さん千万家を見学に来る

  

 内部
   1985年頃
         

 

         

      


     

    1994年夏

       

    2001年 住宅建築 撮影

      




 
      


  建築文化 1994年11月 (専門誌にでちゃう・特集される
                布野修司 西山卯三論序説 U 国家と建築家 P115

植田実さんの BOX1見るより p83

 コの字型コンクリートの壁を巡らせ敷地の輪郭を整えたあと、そこにさまざまな部屋が自由に取り付いた形である。垂直方向でもスケールの異なるヴォリュームが組み合わされ、台所と居間、上下の寝室が、連続すると同時に柔らかく分節されている。食堂と居間のレベル差は80p。食堂の下には地下の納戸が確保される。居間は庭
から30p。床が上げられている。不正形の離れは逆に40p沈み、大きなスカイライトで離れとしての性格を際だたせている。 アトリエや子供の部屋、あるいはゲストルームみたいな部屋だ。こうした細かな床レベルの切り換えは、当然外部空間にも影響する。勝手口へのアクセス・テラス。庭から離れへ降りていく階段は二つにくびれた庭と自然に一体化し、外ー内の連続に結びつく。現在コンクリとの外壁は蔦で覆われ、庭の緑は垂直方向へと広がっている。

佐藤の最近作にみられる強い建築の形はまだ出現していない。何気ない打ち放しコンクリートボックスの集まりであるが、そこに潜む静と動の展開の中に、エッシャーのようなトポロジーの世界がひそかにしく(企)まれているのを探る気持ちになってくる。  

編集長 編集後記より
 
 特集2で紹介する建築家・佐藤敏宏さんは、福島で設計活動を行っている。これまで建築雑誌とはほとんど無縁の人だ。ひょうひょうとコンクリート住宅をつくっていくのだという。10個まではコンクリートでいくのだという。見学にいって、数件訪ね、施主と話をした。みんないきいきと自邸について語ってくれる。それがほんとうに楽しそうなのだ。壁にてづくりの布をかけ、山からとってきた藤の太い弦をどんと庭に活けたりして、気持ちよさそうに住みこなしている。懐の深い天窓から差してくる光が外の気象の移り変わりを瞬時に柔らかく反映して、室内にいても感覚は外とつながっている。開け放たれた窓からは、そこが風の通り道ででもあるかのように、風がすーとぬけて、南国の住まいのような錯覚。東北でコンクリートだから冬はさそかじ寒いだろうと佐藤さんに、聞いてみたら、床暖房だという。それも彼が工夫した安上がりの方法だ。あるいは2重壁になっていて、内壁と外壁の間にトップライトで明かるい階段や内緒の小部屋が配置されたりしている。適度に明るく適度に暗い。骨太の構成力。デティールモしっかりしている。隙間の使い方がうまい。「コンクリートBOX10」は佐藤さんの説明によると「野球場と住宅が衝突した途端、刑務所の監視塔が現れた図」だという。ご夫婦は食堂の引き戸のドアが壁と同じように孤を描いているといって妙に感心していた。ドアはフラット、という常識が外れたときの子供のような驚き。発見に満ちた内部空間、行ってみてよかったと帰りの新幹線の中で思った。