「Fukushima Gofuku Remains」

総量47.3トン 
わが国の プルトニウムの現在     (2023年5月11日〜) 


 
Microsoft Word - 【表紙】190726_H30年末Pu管理状況.doc (aec.go.jp)の要約 1からわかる!核のゴミ(1)そもそもどんなものなの?|NHK就活応援ニュースゼミ 作成佐藤敏宏

我が国のプルトニウム管理状況 令和元年7月30日 内 閣 府  原子力政策担当室


1.趣旨
我が国は、原子力基本法に基づき原子力の研究、開発及び利用を厳に平和の目的に限り行っている。

原子炉等規制法*上の平和利用の観点からは、核兵器不拡散条約(NPT)の下、国内全ての核物質・原子力活動について国際原子力機関(IAEA)保障措置の厳格な適用を受ける※
等により、我が国の原子力の平和利用を担保している。

これに加えて
政策上の平和利用の観点からは、プルトニウムに関しては、「利用目的のないプルトニウムは持たない」との原則を堅持している。そのため、プルトニウム利用の透明性の向上を図り、国内外の理解を得ることが重要であることから、IAEA「プルトニウム国際管理指針」に則り、国内及び海外において使用及び保管している、未照射分離プルトニウム(以下「分離プルトニウム」)の管理状況を、平成6年以降、毎年公表するとともに、IAEAに対して報告を行っている。当該管理状況では、我が国は IAEA「プルトニウム国際管理指針」に基づき公表している以上に、施設毎の使用、保管状況等を公表しており透明性向上を図っている

.分離プルトニウムの管理状況

(1)概要
平成30年末時点で国内外において管理されている我が国の分離プルトニウム総量は約45.7トンであった。うち、9.0トンが国内保管分で、約36.7トンが海外保管である。

国内保管分は、電気事業者(関西電力高浜発電所3,4号及び九州電力玄海原子力発電所3号)が約1.5トンの分離プルトニウムを照射したため、平成30年末時点で約9.0トンを保管中である。

海外保管分は、我が国の電気事業者が、国内の原子力発電所から発生した使用済燃料を、英国及び仏国の再処理施設において再処理を行ったことによるものである。

@仏国に委託した使用済燃料の再処理は既に完了し、平成30年末時点で約15.5トンの分離プルトニウムを仏国に保管中である。

A英国に委託した使用済燃料の再処理においては、すでに再処理委託した使用済燃料に含まれるプルトニウムが分離され平成30年末時点で在庫として計上された約21.2トンの分離プルトニウムを英国に保管中であり、残りのプルトニウム(約0.6トン)についても、今後在庫として計上される予定である。







分離プルトニウムの管理状況
平成29年末時点 平成30年末時点
総 量 約47.3トン 約45.7トン

国内で保管中 約10.5トン 約9.0トン
海外で保管中

(計) 約36.7トン 約36.7トン

英国 約21.2トン 約21.2トン
仏国 約15.5トン 約15.5トン


(2)公表データ

平成30年末時点における我が国の分離プルトニウムの管理状況は、以下のとおりである。

特に付記のない限り、分離プルトニウムの重量をキログラム(kg)単位で示している。各欄の数字に続く括弧内には昨年の同欄における公表値を記載している。

「国内に保管中の分離プルトニウム

再処理施設で使用済燃料から分離し MOX 燃料(粉末)にされ、燃料加工施設で MOX 燃料(粉末)から MOX 燃料集合体に加工され、原子炉内に MOX 燃料集合体を装荷し照射されるまでの未照射分離プルトニウムを指し、以下@〜Bのものが含まれる。
@ 再処理施 設
分離・精製工程中の硝酸プルトニウム、混合転換工程中や貯蔵容器に貯蔵されている酸化プルトニウム。
A 燃料加工施設
原料として貯蔵されている酸化プルトニウム、試験及び加工段階にあるプルトニウム、新燃料製品。
B 原子炉施設等
:常陽、もんじゅ及び実用発電炉において新燃料として保管されているもの(原子炉内に装荷された未照射のMOX燃料、原子炉内から取り出された未照射のMOX燃料を含む)、大学・研究機関の研究開発施設において研究用に保管されているプルトニウム及び臨界実験装置用燃料。


海外に保管中の分離プルトニウム
我が国の電気事業者が英仏に再処理を委託し、既に分離されてはいるが、まだ我が国に返還されていないものを指す。これらは原則として、海外でMOX燃料集合体に加工され、我が国の軽水炉で利用されることになっている。
分離プルトニウムの使用状況等

再処理施設における酸化プルトニウムの回収量、燃料加工施設における加工工程への正味のプルトニウム払出量、原子炉施設における未照射MOX燃料を原子炉内に装荷し照射した量であり、プルトニウムの管理状況をより明確にするために示すものである。

日本における平成30年 IAEA 保障措置結論


我が国は、核兵器不拡散条約(NPT)の下、IAEA との間で締結した保障措置協定及びその追加議定書に基づき、プルトニウムを含めた国内の全ての核物質について国際原子力機関(IAEA)による保障措置を受け入れている。
■本年6月に開催されたIAE理事会において、 IAEAが平成30年に実施した保障措置活動に基づき、我が国は、「申告された核物質について平和的な原子力活動からの転用の兆候は見られない。未申告の核物質及び活動の兆候も見られない。」ことを根拠として、すべての核物質が平和的活動にとどまっている(拡大結論)と結論付けられている。


* 原子炉等規制法:核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律
【参考資料】
参考1 原子炉施設等における分離プルトニウムの保管等の内訳
参考2 平成30年における国内に保管中の分離プルトニウムの期首・期末在庫量と増減内訳
参考3 平成30年における我が国の分離プルトニウムの施設内移動量・増減量及び施設間移動量
参考4 プルトニウム国際管理指針に基づきIAEAを通じて公表する平成30年末における我が国のプルトニウム保有量
参考5 プルトニウム国際管理指針に基づきIAEAから公表されている平成29年末における各国の自国内のプルトニウム保有量を合計した値