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■核燃料サイクルに必要な、使用済燃料の再処理をおこなう「再処理工場」の建設が、青森県六ヶ所村で。
■“再処理”とはいったいどのようなことをするの?
■再処理工場ではどのような安全対策がとられているの?,
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使用済み燃料 長さ約5m?
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■核燃料リサイクル
原子力発電で使い終えた燃料(使用済燃料)。ウランやプルトニウム、再利用可能な物質が約95〜97%含まれる。
@ウランやプルトニウムを使用済燃料の中から取り出す(再処理)。
Aほかの物質と混ぜ合わせ「MOX燃料」に加工し再度、発電に利用する。
Bその取り組みが「核燃料サイクル」
■効果
リストアイコン 1〜2割の資源の有効利用をはかる。
リストアイコン 高レベル放射性廃棄物の量を4分の1に低減できる。
リストアイコン 高レベル放射性廃棄物の有害さの度合いが
天然ウラン並まで低減するのに必要とする期間を、10万年から8千年に短縮できる。
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■重要な役割を果たす、ウランやプルトニウムを取り出す「再処理工場」。
@現在、MOX燃料はすべてフランスで加工されたもの。
A使用済燃料の再処理を日本国内でおこなう。
B青森県六ヶ所村で工場の建設中。日本原燃株式会社が運営する「六ヶ所再処理工場」。
C建設は、1993年から。2006年から使用済燃料の試験的な再処理(アクティブ試験)。
Dウランとプルトニウムを取り出した後に残る高レベル放射性廃液を、「ガラス溶融炉」で溶かしたガラスと混ぜ合わせ
Eステンレス製の容器に流し込み冷やし固める過程(ガラス固化)。ガラスが流れにくくなり
、「ガラス溶融炉」のノズルが詰まるなどのトラブルが発生。試験がしばらく停止。
F2013年に日本原燃は「ガラス溶融炉」の運転管理方法を改善。技術的な課題を克服。
安定してガラス固化作業をおこなうことができることを確認。
G完成すれば、年に800トンの使用済燃料を処理できる見通し。(フル稼働時)
(使用済燃料 ウランの量で約19,000トン)
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再処理工場
「高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター」(1995年操業)
「低レベル放射性廃棄物埋蔵センター」(1992年操業)
「ウラン濃縮工場」(1992年操業)。
MOX燃料工場も2022年度上期竣工に向け建設中。
再処理は原発の使用済燃料が、「キャスク」と呼ばれる容器に入れられて、再処理工場に運ばれる。
使用済燃料は、水中でキャスクの中から取り出され、プールで冷却・保管。
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■再処理工程見取図
右から |
@再処理工場では、プールから取り出す。 (右絵 このサイトのPDFより)
A使用済燃料を約3~4cmほどに切り(せん断)
B溶かして燃料と金属片などを分ける。
C燃料が混じった溶液の中からウランとプルトニウムだけを分離。
Dさらにウランとプルトニウムを分け、それぞれ精製。
Eウランは粉末の状態で「ウラン酸化物」として回収、貯蔵。
Fプルトニウムは「核不拡散」の観点から核兵器の製造へ転用しにくくする→同じ量のウランと混合・処理し。
G「ウラン・プルトニウム混合酸化物」として回収。
H貯蔵しする。
Iの「ウラン・プルトニウム混合酸化物」を利用して、MOX燃料をつくる。(注:高価になる)
Lウランとプルトニウムを分離した後に残る高レベル放射性廃液は、ガラスに溶かし固める。
M「キャニスター」というステンレス製の容器に閉じ込めた「ガラス固化体」の状態にする。
N六ヶ所再処理工場内でおよそ30年〜50年間貯蔵した後、青森県外にて
地下300mより深い安定した地層中に処分。
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絵:このサイトより
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fukushima tomb 佐藤私案2023年5月11日作成中 |
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指摘されている問題点あれこれ
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■ 六ヶ所再処理工場が抱える大問題 ―ガラス固化体製造と活断層をめぐって―
澤井正子著より 要約 |
< 別添 > (jnfl.co.jp)
■キャニスター(高レベル廃液ガラス固化)
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■六ヶ所再処理工場をめぐる現状
2008/08/2
溶融炉と呼ばれる耐火性セラミック製の大きな炉
(約3m×3m×3m)にガラス原料と高レベル放射性廃棄物を投入し、炉に組み込んだ電極と電極の間に電流を流し炉の中にあるガラス等を溶かす。
溶けたガラスを、炉の下に設置したガラス固化体容器(ステンレス製キャニスター)に落す。
自然に冷やして固める。
・溶融炉でガラスを溶かす温度は、約1200℃。
・高い温度を一定時間保持する必要
・東海工場のTVFでは、溶融炉の温度管理がうまくできない。
・高レベル廃液に含まれる白金族元素(パラジウム、ルテニウムなど)などが溶融炉の下部に堆積し
・炉の出口をふさぐ。
・ガラス固化体容器にうまく流下しない。などのトラブルが多数発生。
・溶融炉の持つ構造的な欠陥は、解決されないまま六ヶ所再処理工場に「技術移転」された? |
要約
■六ヶ所再処理工場の実際の使用済み燃料を使ったアクティブ試験
・死の灰の塊、高レベル放射性廃棄物をガラスと混ぜて固めるガラス固化技術に大きな欠陥がある。
・工場敷地の耐震安全性について、「国や日本原燃が大規模な活構造(活断層)を見逃している」、という渡辺満久先生(東洋大学)たちの指摘。
ガラス固化
・工場はアクティブ試験を06年3月31日に開始、同年11月にはプルトニウムの分離が始まる。
・死の灰の塊である高レベル放射性廃棄物をガラスと一緒に固める(ガラス固化)試験は07年11月から始まる。
・溶融炉のトラブルで運転停止。
・高レベル放射性廃棄物には多くの種類の放射能が含まれる。強い放射線と高い熱。
・再処理工場 高レベル廃棄物を廃液の形で大きなタンクに貯蔵。長期間の貯蔵・管理、最終的な処分等が困難となる。ガラスとまぜて固めて固化する。
・作業 強力な放射線と高い発熱 2メートルの壁に囲まれたセル(部屋)の中で、中央制御室からの遠隔操で行う。ガラス固化体 近づけば数十秒で死亡。
六ヶ所再処理工場の主要な工程
・フランスのラ・アーグ再処理工場から輸入。
・ガラス固化技術─六ヶ所のパイロットプラントで東海再処理工場のガラス固化施設(TVF)で開発された。
白金族元素堆積の対策と安定運転条件
1)廃液調整。白金族元素金を含まない低模擬廃液(劣化ウラン廃液)をわざわざ製造して高レベル廃液に混ぜ、白金族の濃度・成分を調整する(薄める)。
2)白金族元素堆積の兆候が現れたら放射性廃液を入れずガラス原料だけを投入する。
3)それでもだめな場合は、溶融炉内部に棒を挿入してかき混ぜる。
4)それでもだめな場合は全廃液を溶融炉から抜き出す。これは白金族対策というより、単なるその場しのぎ的対応でしかありません。
再試験も半日で失敗
・21:11には、ガラス廃液の流下が一瞬確認された。が、流下はすぐに止る
・ガラス固化体製造工程で次々とトラブルが発生。対応さえままならない。
・ガラス固化体が安定的に製造できることは、国の再処理事業許可の前提条件。
・六ヶ所再処理工場にガラス固化体製造能力がないのであれば、当然アクティブ試験を含めた工場の稼働、事業許可の再検討が行われるべき。
撓曲構造を確認せよ
・工場の真下に活断層があるのではないか?
・東洋大学の渡辺満久先生らのグループは、国土地理院の空中写真による変動地形の判読と六ヶ所村の現地調査によって、六ヶ所核燃料サイクル施設の東側に、地形の大きなたわみ(撓曲:とうきょく)があることを確認。
・国の安全審査では、出戸西方断層(でとせいほうだんそう)。
指摘するこの撓曲構造
・出戸西方断層を含む大きな地形的・地質的な活構造。
・出戸西方断層はその枝分かれ断層?断層は全体で約15キロメートル、地下で西側に傾斜し、再処理工場の直下にまで達している可能性が考えられる。
・北側は下北半島沖の海中にある大陸棚外縁断層とつながり、南側はむつ小川原湖近くにまで延びている可能性がある。
・長さが85キロメートルもある大陸棚外縁断層が活断層かどうか?
・活断層(出戸西方断層)を伴う撓曲構造を確認。
・これが大陸棚外縁断層の南の延長にある。←指摘している。
六ヶ所の断層問題の主要なポイント。二つ)
・一つは再処理工場が土地が折れ曲がるところにある。揺れに対する対策、土地がズレることに対する対策を日本原燃が行っているか?
耐震設計や耐震構造などで、施設の安全対策が十分なのか?
・もう一点は、耐震安全対策として活断層の長さを最大限に見積もる必要がある。
日本原燃は2007年11月に原子力安全・保安院に提出した『耐震バックチェック報告書』
・出戸西方断層を震源とする地震について、断層の長さを6キロメートルとしてマグニチュード5.6の地震による評価を行う。
不確かさを考慮して・・建屋や構造物、機器などに影響がないことを示そうとしている。
・本当に考えるべき地震は、出戸西方断層を含み大陸棚外縁断層につながる約100キロメートル超の大活断層によって引き起こされるマグニチュード8.2以上の巨大地震。国や日本原燃は、この巨大地震のユレとズレに対する再処理工場の施設の健全性を示すべき。
・国や日本原燃はこの問題提起に真摯に対応し、堂々と科学的議論を行うべき。
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